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21.天に落ちる その2
著 者:シェル・シルヴァスタイン 訳 者:倉橋由美子 ISBN:4-06-208537-2 発行所: 講談社 発行日:2001年10月31日 ぶくぶく よりの抜粋   ぶくぶく   こいつは   世界一のでかい水たまりだと見た   水を蹴散らして渡ろうとした   その結果これは   世界一小さくて   世界一深い湖だとわかった  (P91)   水たまりを深い湖として捉えることは一種の“見立て”です。 普通、おとなはそういうことをあまり考えなくなりますが、絵本作家やアーティスト、デザイナーなどは、シルヴァスタインのようにありふれた水たまりからも創造力を膨らませることができます。 それは、日常見慣れ過ぎて意味が固定されてしまったものに、全く違った見方や意味を与える「異化」という効果であり、未知なる造形を探究するデザインにとって不可欠なアプローチではないでしょうか。      [tag:見立て 異化 こどもOS]
22.ベベチオとつくる、未来の暮らしの歌 vol.1ワークショップのお知らせ
ベベチオとつくる、未来の暮らしの歌 vol.1ワークショップ 関西を拠点に活動されているユニット「べべチオ」さんと縁あって"こどもOS"を使って作詞のワークショップを行います。 メンバー:ベベチオ、NPO法人キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」(リーダー:大阪府産業デザインセンター、 積水ハウス)、うめさん(nxメンバー) 日 時:5月6日(火)13:00~16:00 12:30受付開始 場 所:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル カンファレンスルーム C04(北館タワーC 8F) 定 員:30名 料 金:無料 対 象:大人 主 催:一般社団法人ナレッジキャピタル 参加申し込みはこちらから https://kc-i.jp/CGI/enq/bebechio140506/terms.cgi
23.ファンタジーの文法 物語創作法入門 その1
原書名 : LA GRAMMATICA DELLA FANTASIA〈Rodari, Gianni〉 著 者: ジャンニ・ロダーリ 訳 者:窪田 富男 ISBN: 4-480-02481-6 発行所: ちくま文庫 発行日:1991年9月25日 4  ファンタジーの二項式 よりの抜粋 ヴィクトル・シクロフスキー ※1 は、トルストイの持っている《異化(ストラニアメント)》(ロシア語で《ostranenije》)の効果を記述しているが、トルストイは、粗末な寝椅子のことを語るのに、以前に一度も寝椅子を見たこともなく、それがどんなことに使えるのかまったく知らない人物の語り口を使っているという。 《ファンタジーの二項式》においては、ことばは日常の意味で取り上げられるものではなく、日常的に果たしていることばの鎖から解き放されるものである。ことばは、互いに《引き離され》、《流浪させられ》、まだ見たこともない異郷の空でぶつけ合わされるのである。こうすることによって、ひとつの物語を生み出すよりよい条件があたえられることになる。(P42)   ある対談でグラフィックデザイナーの原研哉が、プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインした、換気扇のような形の...紐を引っ張るCDプレーヤー(無印良品)を指して次のように述べています。 一見すると、どこが面白いのかよくわかんないんだけど、後で「あ、なるほど〜」と気付くデザイン。 紐を引っ張るとファンが回るって、もう皆知ってるわけだから自然に引っ張っちゃう。 でも実際は風はこなくて、ふわ〜っと敏感になった皮膚に音楽がそよいでくるわけだから、最初の瞬間は不思議なメカニズムを感じてしまうわけです。 その辺が彼の意図なんですね。その瞬間に「あ、なるほどー」と思うわけでしょ。 深澤さんのデザインは最初は普通すぎてわからないんだけど、やっているうちに「なるほど」「ワォ」ってそれが後ろにくる。 これを「Later Wow」と言っている。最初よりもその方が忘れがたいものになる。「First Wow」よりも印象的なんだと。 これは僕が言っているコンマ以下の世界みたいなものだと思うんだけど、ものの見方や感じ方をちょっと変えてみるだけですごく印象に残る。 それを探していくのが新しいデザインの世界ではないかなと。 やっぱり鋭いプロダクトデザイナーですよね。狙ってるポイントが他のデザイナーとは全然違うんですよね。小数点を出してきてるわけですから・・・。 さて、これをこどもOS的に解釈すると、換気扇とCDプレーヤーを結びつける深澤氏のファンタジーと遊びゴコロ。そして、みんなが知っている換気扇の機能を《異化》する(いい意味で裏切る)好例と言えるのではないでしょうか。 ※1 ヴィクトル・シクロフスキー『散文の理論』 著 者: ヴィクトル・シクロフスキー 訳 者:水野 忠夫 発行所: せりか書房 発行日:1971年1月 詩的言語への深い考察から見慣れた事物を〈非日常化・異化〉する方法が芸術の方法だとする画期的な視点から文学作品の構造や表現方法を緻密に分析し、文学の内的法則の確立をめざしたロシア・フォルマリズムの代表作。 [tag:異化 ファンタジーの二項式 こどもOS]
24.「ムーミンパパの手帖」の著者、東宏治さんを訪ねました。
書物に学ぼう!(こどもOS探究)のコーナーで何回か引用させていただいている「ムーミンパパの手帖」の著者である東宏治さんを、同志社大学言語文化研究センターに訪ねました。 フランス文学者である東氏がムーミンの物語に引かれた理由は、日本の社会にはない(日本ばなれした)ヤンソン独特の世界観です。 それでいて、日本人である自分のなかにあるものを引き出してくれる合わせ鏡のような存在。そこから得られる幸福感の原因を読者に伝えることができればという願いでした。 しかし、そのための(全体の図柄を仕上げる)有効な方法は、とうとう見つからなかった。という記述が「ムーミンパパの手帖」のなかにあります。 人は生まれたところ(それがふるさとと呼ばれるような田舎であっても都会であったとしても)から精神的な影響を受けるそうです。 建築家などはそれを『Genius Loci(ゲニウスロキ)』《ラテン語で土地の精霊・守護神》と呼びます。 ヤンソンの描く自然(海、森、小川、霧、木、岩、砂など、など)の物質感を、ほとんど官能的に感覚体験できるという 東さんは、徳島県の青黒い空と海を見て育ったそうです。 氏は来年には大学を退官されるそうで、琵琶湖を臨む比叡平で「風土論」を執筆したいと考えておられます。 おそらく「ムーミンパパの手帖」でやり残したことを、自分というフィルターを通して普遍化する作業になるのでしょうか。 帰り際、その著書に快くサインしていただきました。 そこに書かれたメッセージ『自然は大きな容れもの。善いものも悪いものも、何もかもはいった器です。』 これは、ヤンソンの自然観でもあります。 「この世界にあるすべての存在や事物を含んでいる自然には、相反するものが一切合切入っている。 その全体をまるごと認め信仰するならば、そのひとに心の平静や自由が訪れるのである。」 というものです。 私はこの自然ということばのなかに「こども」が含まれていると感じるが故に、この本に強く引きつけられているのです。
25.PDS第1回ワークショップ 「こどもOS再発見!」写真の読み解き結果
TEAM1・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM2・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM3・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM4・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM5・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM6・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM7・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)       TEAM8・こどもOSマップ(個人) こどもOSマップ(チーム)  [tag:ワークショップ こどもOSマップ]
26.プレイフル・デザイン・スタジオ第1回ワークショップ参加者募集のお知らせ
 ムラタチアキと楽しむ!こどもOSによる新しいモノづくり発想 「プレイフル・デザイン・スタジオ」 参加者募集のお知らせ 主催:キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」(リーダー:大阪府産業デザインセンター、積水ハウス株式会社) 「こどもOS研究会」では、こども目線・こどもゴコロで考える、新しいモノづくり発想のためのワークショップ「プレイフル・デザイン・スタジオ」を開催します。 このワークショップでは、「こどもOS※(仮説)」を読み解き、社会の新たな価値創造につながる遊びゴコロに満ちあふれたデザイン発想を引き出すことを目的としています。 みなさまの参加をお待ちしています。 ※ 「こどもOS」とは、こども目線やこどもゴコロでものごとを見聞きし、感じ ることによってデザインの創造性を引き出す行為であり、こども本来が持っている能力(豊かな感受性や想像力、直感力など)ととらえ、コンピュータの基本 ソフトウェア(OS)になぞらえて命名しました。 【と き】平成20年 9 月 5 日(金)14:00〜17:45(開場13:30)交流会:18:00〜 自由参加 参加費:4,000円) 【ところ】サントリーミュージアム[天保山] 映像コーナー (大阪市港区海岸通1−5−10 地下鉄中央線「大阪港駅」下車徒歩約5分) http://www.suntory.co.jp/culture/smt/ ※希望者には、ワークショップが始まる前に同ミュージアムギャラリーで開催中の「美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方観賞券を配布いたします。 【内 容】テーマ: こどもOS再発見! 小グループに分かれ、参加者から提出していただいた、こども目線・こどもゴコロで捉えた写真を囲み、こどもOSによる写真の読み解きから「イメージマップ(こどもOSマップ)」を仕上げていただきます。 <Menu 次  第> Antipast アイスブレイク(グループ分け・自己紹介) Primo Piatti 写真からのイメージマップづくり(個人作業) Secondo Piatti イメージマップの統合(グループ作業) Dolce グループ発表とこどもOSの考察 Espresso ワークショップの振り返り(省察) ファシリテーター:  ムラタチアキ 株式会社ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役  METAPHYS 代表  古市 宝 サントリーミュージアム[天保山] ドキュメンテーション:  曽和 具之 神戸芸術工科大学 准教授 【対 象】「キッズデザイン」や「こどもOS」に関心をもつ企業開発者、デザイナー、学生 【参加費】無料 (交流会参加の場合は、4,000円を交流会場受付でお支払いください) 【定 員】32名(先着順受付、定員に達し次第締切) 【協 力】 サントリーミュージアム[天保山] 【申込み】 このワークショップは終了しました。 参加申込みページから必要事項(1.氏名、2.所属(企業・大学名、所属、学科名)、3.郵便番号/所在地、4.電話番号(固定または携帯)5.メールアドレス、6.ディック・ブルーナ展覧会鑑賞希望の有無、7.交流会参加[参加費:4,000円が必要です]の有無)を記載し、お申し込みください。後ほど、参加決定通知をお送りします。 参加者決定通知を受けられた方は、8月25日(月)17:00までに「こども目線やこどもゴコロ」が感じられるデジタル写真(1枚 640pix×480pix、1M未満、jpeg形式)を下記までEメールにてお送り下さい。 ...
27.あそびとまなびのバァ〜
みなさんこんにちは、PDS事務局の川本です。 6月18日、三条にある京都造形芸術大学のギャラリーARTZONEで一ヶ月に渡り、日替わりメニューで開かれている「あそびとまなびのバァ〜」展に、ゲスト講師として参加してきました。 私のメニューは、こどもOS(こどもの振舞い)を捉えた写真を読み解き、的確なキャッチコピーをつけるグループワークです。 この日はこども芸術学科の公開授業日で、1回生30人が参加してくれました。 まずは、持って行ったこどもOSの写真から、それぞれのグループで好きな写真を選んでもらいました。 いよいよ読み解きの開始!芸大生はやはり“やわらか頭”!「ムズカシイ〜」と言いながらも、ことばが斬新です。 1時間後に各グループの発表です。  「柵の向こうはネバーランド」  こちらは「ポッケにつめ放題」気持ち、分かりますね〜。 空き地の柵に架かるチェーンに腰掛けるこども「どこでもブランコー」  段ボールすべり。芝生じゃ滑らんなあ〜、で・・・「予想外」 「あたいのまほう うけてみるかぁぁ?」女の子らしい発想ですね。    おかあさんやったー!ここまで登ったよ〜。「あたしだけ!!」 短時間のワークショップでどうなるか心配でしたが、終わってみると魅力的なキャッチコピーがたくさん出て、レベルの高さに驚かされました。 こんな楽しいワークショップなら、またどこかでやってみたいですね。水野先生どうもありがとうございました。   [tag:こどもOS ワークショップ 京都造形芸術大学 こども芸術学科 あそびとまなびのバァ〜]  
28.ムーミンパパの「手帖」トーベ・ヤンソンとムーミンの世界(その1)
著 者: 東 宏治 ISBN:4-7917-6312-2 発行所: 青土社 発行日:2006年12月30日  22 ポリフォニー、その他の手法について よりの抜粋 『彫刻家の娘』のなかで、友達のポユーと少女ヤンソンとが絨毯の模の上でする遊びは、ムーミントロールの太陽の影と光の部分の踏みわけ遊びに変わっている。これは、ヤンソンの頭のなかで、絨毯の模様と、地面の斑模様との間にメタファー関係が生まれたということではないか。以下に、その二つの文章を並べて引用してみよう。   「私はポユーに大きな絨毯の上の沢山の蛇から逃げる方法を教えた。蛇から逃げるには、絨毯の模様の明るい色彩の全部の上を、その明るい色の縁に沿って歩くようにしなくてはならない。その縁の隣にある暗い色のところを踏めば、その人は負けになる。絨毯の暗い模様のところには、とても言葉では説明できないほどの沢山の蛇が群がっていると想像しなければだめだ。誰も他の人が想像した蛇など恐くないのだから、蛇がそこにいるのだと、自分で想像しなければならない ・・・(あと省略)(『彫刻家の娘』26ページ)   「そんなわけで、ムーミントロールはモランのことは忘れてしまい、朝の太陽が投げかけている長い影の中を歩きながら、一つの遊びを始めました。まず太陽の照っているところだけを歩かなければいけないのです。影は海の底知れない深みです。もちろん泳げないと考えてのことですけれどね。(『ムーミンパパ海へ行く』31/33ページ)(P223)   こどももおとなも楽しめる文学であるムーミン物語。 フランス文学者 東宏治氏の「ムーミンパパの手帖」は、トーベ・ヤンソンの深い世界観を数多くの引用と明晰な分析力で読み解いています。 その中に、プレイフル・デザイン・スタジオ 第1回ワークショップ で参加者から得られた、こどもOSキーワード「Mineるーる」を補強 する箇所がありました 。 ヤンソンが現実の出来事をファンタジー化する方法として東氏が分類する手法は三つ。「(出来事の)単純化」、「(登場人物の)移しかえ」、「(イメージの)膨らまし」です。この三番目の方法を東氏は、一種のメタファー化の操作だと言っ ています。 日本語で言うと「見立て」でしょうか。こどもたちの見立て遊びがファンタジーと同根であり、それはもちろんデザインの創造にもつながっているという ことでしょう。   [tag:あそびのルール こどもOS トーベヤンソン]  
29.プレイフル・デザイン・スタジオ 第3回ワークショップ 参加者募集のお知らせ
『気づき』からのデザイン 〜感覚を開き、脳を開く〜 「こどもOS研究会」では、こども目線・こどもゴコロで考える、新しいデザイン発想のためのワークショップ「プレイフル・デザイン・スタジオ」を開催します。 今回のワークショップでは気づき体験を通じて、おとなの思い込みや固着した価値観を見直し、こどもの頃の純粋な感性や直感力を活かしてデザインを引き出す試みに挑戦します。 感覚機能を研ぎ澄ませることによってイメージを膨らませ、そのイメージを行動表現の言語(アフォーダンス)に転換した後、具体的な空間に展開していくワークショップです。 このワークショップのプロセスはとても遊び心に満ちあふれています。 みなさまの参加をお待ちしています。 ※このワークショップでは、「こどもOS(仮説)」を読み解き、社会の新たな価値創造につながる遊びゴコロに満ちあふれたデザイン発想を引き出すことを目的としています。 「こどもOS」とは、こども目線やこどもゴコロでものごとを見聞きし、感じることによってデザインの創造性を引き出す行為であり、こども本来が持っている能力(豊かな感受性や想像力、直感力など)ととらえ、コンピュータの基本ソフトウェア(OS)になぞらえて命名しました。 【内容】   テーマ:「気づき」からのデザイン  〜感覚を開き、脳を開く〜 小グループに分かれ、下記のプロセスを通して「こどもOS」を体感します。 1.感覚を開く 箱のなかに隠されたモノに触れたり、缶の中のモノの音を聞くことで五感を覚醒させ、こどもの頃の遠い記憶などを呼び覚まします。 2.脳を開く ゲーム感覚で行う「気づき体験」を通して参加者の脳を開き、こどもOSのプロセスを体験します。 3.イメージから発想へ 体験によって開かれた感性と知性を発揮して、皆さんが日頃馴染んでいる空間創造の実習を行います。 4.振り返り グループ発表を行い、最後にワークショップの進行を撮影・編集した映像で振り返ります。参加者は、あらかじめ映像撮影があることをご了承ください。 ファシリテーション: 田中 賢 日本福祉大学 准教授  日本大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。 積水ハウスを経て、日本福祉大学准教授。 ユニバーサルデザインやユーザビリティの研究、福祉のまちづくりの研究などを行う。 日本建築学会、日本福祉のまちづくり学会、日本生活支援工学会員。 著書:「住環境のバリアフリーデザインブック(共著)」2002,彰国社ほか。 ドキュメンテーション&リフレクション: 曽和 具之 神戸芸術工科大学 准教授 千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。博士(学術)。 神戸芸術工科大学プロダクトデザイン学科助手、講師を経て、同大学准教授。 専門は情報デザイン。記録と省察をテーマに、国内外でのワークショップドキュメンテーションを行っている。 プレイフル・デザイン・スタジオワークショップにおいても第1回目からドキュメンテーションを行っている。 【と き】平成21年3月13日(金)13:15から17:30まで(受付開始は12:45です) 【ところ】 應典院   大阪市天王寺区下寺町1丁目1−27 アクセス 地下鉄堺筋線・近鉄線「日本橋駅」8番出口より東へ徒歩約7分  地下鉄谷町線「谷町九丁目駅」3番出口より西へ徒歩約8分  近鉄線「近鉄上本町駅」3番出口より西へ徒歩約8分 【対 象】「キッズデザイン」や「こどもOS」に関心をもつ企業の企画開発関係者、デザイナー、デザイン・環境系学生など 【定 員】24名 (先着順受付、定員に達し次第締め切ります) 【参加費】無料 【交流会】ワークショップ終了後、会場近くで交流会を開催します。        参加費:3,500円 【申込み】大阪府のお申込みフォーム「こちら」からお申込みください。このワークショップは終了しました。 参加申込みページから必要事項(1.氏名、2.所属(企業・大学名、所属・学科名)、3.郵便番号/所在地、4.電話番号(固定または携帯)、5.メールアドレス、6.交流会参加の有無を記載し、お申し込みください。 後ほど、参加決定通知をお送りします。 ...
30.自分の中の子ども—谷川俊太郎対談集(その1)
著 者: 谷川俊太郎 発行所: 青土社 発行日:1981年10月26日  I 表現行為と子ども―大江健三郎*谷川俊太郎 大人の中の「子ども」 よりの抜粋 谷川 ぼくが子どものことを考えるときに、いつでもいちばん考えるのは、結局自分のなかの抑圧されている子どもなんですね。それが抑圧されているというふうに、簡単に言い切っていいかどうかよく分かんないんだけど、少なくとも抑圧されている面はあると思うんですよ。  たぶんどんな社会でも成人式とかそういうものがある以上は、大人は大人らしく振舞わなければいけないという社会的な規律があって、どんな人間でも子どもから大人へどうしても移行せざるを得ないわけだけれども、大人のなかに子どもの部分というのはつねに残っていると思うわけね、どんなに大人らしく振舞う人でも。   (中略) マザー・グースの話から飛んじゃったけれども、そういう自分のなかの幼児的な部分、あるいは少年的な部分というものを、それを抑えることで大人になりたいと同時に、それをまた解放することでなんか自分を自由にしたい、いつでも両方の心の動きがあるみたいなんですね。   大江 さきの分析にひきつけていえば、幼児において表現される人間の全体性がある。大人になることで、全体的のものから部分的な偏った存在に転落する、局限される。そうである以上、その自分を全体的に解放しようとすれば、その手がかりとして、自分のなかで抑圧されている子どもを蘇らせることが必要だと感じる、ということになるのじゃないでしょうか。 そうすると自分のなかで死んでいる子ども、抑圧されている子どもに、あらためて目を向けることは、人間の全体性を考える文学において、積極的な意味があるということになると思う。   谷川 そうですね。   大江 ぼくはその子どもを描くことと、批評家のある種の人たちがそれに対していう、幼児性への退行という言葉とを一度切り離したいと思うのですね。幼児的なものに過去と未来とがある、とユングがいうように、子どものイメージに自分を投げこむことは、必ずしも退行を意味しない。未来に向けておおいに一歩進んだのかもしれない。ついには死に向かっていく道のりで、大きい自由を獲得するための、全体性を獲得するための行為たりうるのかもしれない。そのようにして自分のなかにある子ども、あった子ども、未来にあるであろう子どもを解放していくことは、ほんとうに作品を全体化するし自由にするということがありえると思います。   谷川 子ども時代には自分のなかの子どもの部分を意識化することはできないわけですよね。それからそれを制御することもできないと思う。だからぼくなんかがいま、自分のなかの幼児的な部分に気がついて、それを何かの形で蘇らせようとするのは、やはり自分のなかの大人の部分であって、それは自分のなかの幼児的な部分を、悲しいことにどうしても制御しちゃうわけですよね。  だからそれは二面あって、制御できるから作品化というか言語化できるんだという面と、制御するしかないから、結局自分はほんとの子どもの至福というようなものは経験できないのだという。ときどきなんか書いててもそういう制御する自分の大人の部分というものがちょっといやになるということはある。(P31)   ここで語られている対象はこどものための絵本ですが、これを「こどものためのデザイン」ととらえ直してもいっこうに差し支えはないでしょう。 大人は総じて善か悪か、白か黒かをはっきりさせたがる よう です 。 しかし 、 押しつけの善意ほど始末の悪いものはないように( それを世間では偽善といいます )。 善と悪を 両極に 置いたつもりが、いつのまにか隣どうしだ ったなんてことも珍しくありません。 本音と建前というのもその親戚かもしれないですね 。 こどもはというと善も悪も白 も黒 も、 お隣どうしの 存在で常にその位置が入れ替わっているし 固着も していないという意味で全体性という言葉がしっくりくるのでしょう。 そこから考えていくと 「こどもはこうあるべきなのだ」とか「こうすればああなる」 式の 大人の 思い込みが ...