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61.子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その4
原書名 : SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 ISBN: 4-7601-2264-8 発行所: 柏 書房 発行日:2002年9月15日 テクスト の 子ども性 よりの抜粋 子ども性は、子どもの文学のテクストを他の文学ジャンルから区別するための際立った特性であり、子どもがテクストを読む際に持ち込む特質でもある、ということを主張したい。 子どもとテクストとの出会いは、うまくすれば動的なものとなる。つまり、「テクストの子ども性※1 」は、子どもの子ども性を変えることがあるし、子どもの子ども性もまた、テクストの子ども性を変えることがある。(P100)    テクストのこども性で語られている相互作用と今日の問題点は、こどものための商品がこどもの成長過程に何らかの影響を与えるとともに、デザイナーが生みだす商品をも変えて行くという意味合いにおいて、そのまま現代のキッズデザインにも当てはまるのではないでしょうか。   ※1 テクスト の子ども性 作家が、子どもの本を書く際に、テクストに付与するものである。テクストの子ども性は、子どもの読者が本を読む際にもち込む「子どもの子ども性」と交流し、相互に影響し合う。そこに子どもの文学という事象が成立する。子ども自身がもち合わせている子ども性と、テクストが内包している子ども性とは、時代差や個人差などによって合致したりかけ離れていたりする。二者の交流が生みだす作用にこそ、子どもの文学の特質があるのだが、今日の社会状況では、この交流がうまく行われるのが難しくなっているという。 [tag:こども性]  
62.子どもアートボランティア講座2
今日は、京都千本出水にある臨済宗のお寺「光清寺」を会場に開かれた「子どもアートボランティア講座2」に行ってきました。 子どもとアートの施設と教育研究プロジェクトを同志社女子大学現代こども学科教授の上田先生と、九州大学ユーザーサイエンス機構特任教授の目黒先生とが話し合う、必見の対談でした。 本堂前に広がる枯山水の庭「心和の庭」は、作庭家・重森三玲氏による庭園だそうで、そうとは知らず全景写真を撮っていませんでした。 いやはや残念!また機会があれば行ってみたいです。 セサミストリートから始まり、ボストン・チルドレンズミュージアムを経て、吉野のネオミュージアムに至る出来事、ラーニングアートを熱く語る上田先生(中)。 廃校や老朽化した動物園などのRe(再生)をキーワードに、福島・篠山・沖縄で手がけた「チルドレンズ・ミュージアム」についての持続性と運営について訥々と語る目黒先生(左)。 心に残ったキーワードを上げておきます。 「ネオミュージアム」に展示物はない!人と人とのコミュニケーション、出来事が展示物。 学校からは変わらない。インフォーマルな学びの場が必要。 強制された学びではない、みんなが先生。つくることが大事。 「グロース・マインドセット」脳は伸びるよ! 「プレイフル・ラーニング」状況をデザインしよう! ミュージアムを持続させるには働きやすい環境と館長が必要 ミュージアムには空間の魅力と展示物の魅力、見習いたいと思うおとながいること。 運営を逆算してミュージアムを構想する 本の扉は、本の中の世界に入っていって、返ってくるためにある。 絵本はリズム。おなかの中のこどもにも絵本を読み聞かせてください。 同じ展示をしない。作っているところをこどもに見せるのが最良のミュージアム。 「ネオミュージアム」は、1階が活動、2階がリフレクション(省察)、3階が研究所(セオリーを考える場) アートは誠意をかたちにすること。ことばにしたくてもできないもの。 こどもは語彙が少ないからこそ、天才的な詩人の表現ができる 6歳までは神!こどもは神話的時間を生きている 遊びと学びは同じ 「大学の先生は5年間外の世界を見ないと先生になれない」という法律をつくれ! こどもどうしのタテ社会と水平思考の地域社会の崩壊がこども時代の時間を奪った ワークショップは人生(all my life)をかけて仕込みする。結果はわからないけど。 学びの結果はすぐには表れてこないが、あるとき、ストンと腑に落ちる音が聞こえてくる。 「学問を楽しむには?」・・・「じっくりと時間をかけること」 あばれるこどもが私のなかにいる「ニーチェ」 ミュージアムには、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンウェアが必要 ボランティアには「自生する植物」という語源がある。
63.子どもたちの建築デザインー学校・病院・まちづくりー(その2)
著 者: 鈴木 賢一 ISBN:4-540-06245-X 発行所: 農山漁村文化協会 発行日:2006年07月  1章 子どもとまちづくり—ワークショップの可能性— まち歩きのすすめ 風景を切り取る よりの抜粋 ただ闇雲に「まち歩き」するのではなく、成果を共有するための方法が必要です。子どもたちに簡単にできる方法の一つは、使い捨てカメラまたはポラロイドカメラでの写真撮影です。面白い写真を撮るという明確な目標を与えられた子どもたちは、さながら小さな新聞記者、「路上観察学会会員予備軍」といった様子で、蜘蛛の子を散らすようにまちの取材に出かけます。 しばらくすると名前のわからない巨木があった、実のなる木があるといって、ささやかな自然を見つけてきます。紅葉した葉っぱとドングリを合わせて持ってきてくれます。コンクリート塀を突き破った木の根、変な形の外灯、アメンボが描かれたマンホールなど、ちょっと変わったものへの興味は大人より子どもの方が勝ります。良い写真を撮ろうとひとひねりを狙う大人と違い、小学生の写真はストレートです。   (中略) 撮影された写真を並べて気が付くことは、意識しなければどこのまちにもありそうで見過ごしがちなものばかりだということです。しかし、どの被写体も地域独自のものでかけがえがなく、各々濃密ないわく因縁を持っていそうです。しかも、その時その場で撮影しないと意外にシャッターチャンスを逃すものもあります。写真は見えている視界全体の中から、特定のシーンを切り取る作業ですから、撮影者独自の世界観が見え隠れします。子どもは、写真でまちの新しい見方を無意識のうちに教えてくれます。(P53)     こどもOS研究会では「ぼくらの町のお散歩会!」というこども参加のワークショップを通じて、こどもたちの自然な振舞い(こどもOS)を調査する予定です。 こどもたちにビデオカメラ、おもちゃのマイク、地図を渡して実際のテレビクルーさながらに、こどもたちが知っている楽しい場所をレポートしてもらうのです。 まち歩きイベントの形を借りていますが、私たちのもう一つの目的は「こどもOS」の観察。 こどもたちのまち歩きの様子をメタカメラで捉えるというのはドキュメンテーションの入れ子状態ですね。     [tag:まち歩き こどもOS 気づき]
64.子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その3
原書名 : SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 ISBN: 4-7601-2264-8 発行所: 柏 書房 発行日:2002年9月15日 大人の子ども性 よりの抜粋 一方、大人がル・グウィン ※1 がいうところの「生き残った子ども」を、自らの内に保ち続けることができたり、成熟した自己を完成できたりするのもまた、子ども性によるのである。 ここで、フロリツェルからポリクシニーズへ、子どもから大人へ、あるいは息子から父親へと視線を移してみよう。すると、ポリクシニーズやリオンティーズの「大人の子ども性 ※ 2 」には、子どもであるフロリツェルの子ども性とはまた別の特性があることがわかる。 (中略) 私たち大人は、物語を語ったり読んだりすること、そして小説を書いたり読んだりすることによって遊んでいる。たとえその活動がどんなに複雑であろうが、分別を伴うものであろうが、痛みを伴うものであろうが、遊びと呼べるものなのである。私たち大人は、子どもたちが読書をするときのように、意識することなく学んでいることがある。遊びというものの多くは、それと知らずになされた学びであり、また最高の学びとは、それと知らずになされた遊びなのだ。子どもの文学は、この原理に基づいている。また。大人の文学についても同じことがいえる。 (中略) フロリツェルと遊んでいるとき、ポリクシニーズは大人であることをやめはしない。つまり大人は、子どものようには読書をしないのと同じように、子どものようには遊ばない。しかしフロリツェルとポリクシニーズの間には、相互交流がある。子ども時代や子どもの振る舞いに対する二人の思いは、喜ばしいことに一致している。この、大人と子どもに共通する価値観によって、大人はいわば参加する傍観者として子どもとつながることができるのだ。 (中略) フロリツェルとポリクシニーズに共通して見られる、子ども時代や子どもの振る舞いに対する思いこそが、「子ども性」なるものである。フロリツェルにとっての子ども性は、子どもであるという自分の現在の状態についての感覚である。一方、ポリクシニーズにとっての子ども性は、息子と遊んだり観察したりするなかで、子ども時代の記憶を引き出したり、子どもの特性に価値を見出したり、息子の将来に希望を抱いたりすることを通じて、再構築されるものである。つまり子どもの特性は、子どもと大人に共有のものだ。もっとも子どもと大人では、異なった体験や理解の仕方をするのだけれども。(P99)   もうひとつの子ども性は、「大人の子ども性」という言葉です。子どもとともに遊び、笑い、驚き、感動し、価値を共有してきたものは、私のなかの子ども性がそうさせていると言えるものです。  そして、この「大人の子ども性」こそが、文学や芸術、科学やデザインなどを生み出していく知的探究心や創造性の源となっていることは、間違いのないことだという気がしてい ます。   ※1 ル・グウィン アメリカの作家アーシュラ・ル・グウィン(1929〜)代表作は、架空の第二世界アースシーを舞台にした魔法使いゲドの旅を描く「ゲド戦記」。 ※2 大人の子ども性 大人がもつ、子ども時代や子どもの振る舞いに対する思いが、大人の子ども性である。大人が子どもと共有できる特性であり、大人になっても自らの内に子どもを保ち続けたり、子どもと遊んで楽しいと感じるのは、この子ども性によるのである。 大人は、子どもと遊んだり子どもを観察したりするなかで、自らの子ども時代の記憶を引き出したり、子どもの特性に価値を見出したり、子どもに期待したりする。これを通じて子ども性を再構築していくことになる。主観性の強い構築物であり、また、直接的であるか間接的であるかにかかわらず、かかわった子どもの子ども性に影響を与えるという。 [tag:こども性]
65.「こどもOSランゲージ」デザイン思考のための アイデア発想手法inWonderLAB-osaka
 既成概念に捕われない子どもたちの思考や行為など“子どもの感性”に着想を得て、キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」が研究開発した情緒的なアイデア発想手法「こどもOSランゲージ」を活用した、アイデア発想ワークショップを行います。  子どもの頃に誰もが経験したことのある遊びや楽しみは、私たちが本質的に持っている情緒的な価値観の源泉であるとともに、創造的なアイデアを生み出す“デザイン言語”でもあります。皆さんも、発想ツール「プレイフル・デザイン・カード」を使って、商品やサービスの開発の現場ですぐに使える発想法を身につけてみませんか?! こんな悩みにお応えするのが「こどもOSランゲージ」です! 「 開発したいテーマはあるが、画期的なアイデアが思い浮かばない・・」 「 社会通念、既成概念に捕われ過ぎて、商品企画がうまく進まない・・」 「 活発な意見が飛び交う遊びゴコロのある開発会議を模索している・・」   ワークショップテーマ・「閉鎖空間」 日 時・平成30年3月19日(月)午後2時~5時(入館1時30分~) 会 場・ワンダーラボ大阪 1階 HUB(大阪府門真市大字門真1006 パナソニック㈱ 先端研究本部 西門真地区) 講 師・大阪府産業デザインセンター 主任研究員 川 本 誓 文(キッズデザイン協議会 こどもOS 研究会 リーダー) 対 象・商品企画・デザイン担当者等 定 員・30名(定員に達し次第締め切らせていただきます) 受講料・無料 申込み・定員に達しましたので、締め切らせていただきました。 案内チラシ・「こどもOSランゲージ」デザイン思考のための アイデア発想手法 主 催・キッズデザイン協議会 大阪府産業デザインセンター
66.大阪府産業デザインセンターは、咲洲庁舎25階に移転しました
大阪府産業デザインセンター は、平成25年4月1日(月)より「大阪府咲洲庁舎25階」 に移転しました。 (最寄り駅:ニュートラム「トレードセンター前駅」) 都心から遠くなりますが、当センターの事業運営につきまして、引き続きご愛顧の程、よろしくお願い致します。(川本) 〒559-8555大阪市住之江区南港北1-14-16 大阪府咲洲庁舎25階 移転に伴い、電話番号とファックス番号が変わります。 [TEL] 06-6210-9491 [FAX] 06-6210-9505 *メールアドレス(info@oidc.jp)に変更はありません。
67.子どもたちの建築デザインー学校・病院・まちづくりー(その5)
著 者: 鈴木 賢一 ISBN:4-540-06245-X 発行所: 農山漁村文化協会 発行日:2006年07月  1章 子どもとまちづくり—ワークショップの可能性— まちづくりへのアイドリング  まちづくりゲーム—向こう三軒両隣 よりの抜粋 このまちづくりゲームでは、住宅の模型づくりと同様に、大人チームと子どもチームに分けて作業をします。大人たちはついつい子どもに余計な世話をしてしまうので、それを避けるためです。まちの完成までのプロセスは大人と子どもではまったく対照的です。子どもたちはつくりながら考え調整していきます。大人は考えがまとまるまで手が動きません。大人のまちは完成度が高いのですが、まちの楽しげな雰囲気は子どもたちにはかないません。 個人の夢の実現は、周囲の理解と支援が必要であり、そのためには守るべきまちづくりのルールがあることに何となく気付いてくれれば、まちづくりへのアイドリングも完了です。(P65)     おとな(親)とこどもとが一緒にワークショップを行うと、たいていのおとなは良かれと思って「ここはこうした方がいいよ」と助言したり手伝ったりして、こどもたちに構いすぎてしまいます。 こどもOS研究会の場合はさしづめ、「危ないから降りなさい」とか「汚いからやめなさい」という親や教師の目線になるでしょうか。これでは自然な普段の状態でのこどもOSを発見することはできません。 このため、迷いましたが2009年の小学校でのワークショップでは一般参加者の募集をやめ、目標設定と価値観を共有できている「こどもOS研究会」のメンバーが調査研究に当たることになりました。 調査結果はこのサイトや、水都大阪2009の会場で発表いたしますのでお許しとご理解の程、よろしくお願いします。     [tag:こどもOS]
68.四国経済産業局がキッズデザインワークショップを開催
「プレイフル・デザイン・スタジオ」の活動に基づき、四国経済産業局がキッズデザインワークショップを開催します。 ファシリテーターは大阪を代表するプロダクトデザイナーのムラタチアキさんです。 大阪で始まった「こどもOS研究会」の取り組みが四国でどのように受け入れられ、広まって行くのか。 興味深く見守っています。   日 時:平成20年12月12日(金)13:30〜17:00(終了後、ムラタチアキ氏との交流会があります。) 場 所:高松市美術館 講堂(高松市紺屋町10-4) 定 員:50名(先着順) ※定員を超えた場合は聴講参加となります。 参加費:無料 (交流会への参加費は2,000円です。) 【申込み方法】 1.Eメールで参加申込み 氏名・所属(会社名・部署名)・電話番号・メールアドレス・交流会への参加有無を記載し下記アドレスへ申込み   kids@nexus-web.info 主催者より参加票をお送りします。 2.写真をEメールで送信 「こどもになってみて発見した日常の一場面」を撮影し、デジタル写真1枚(JPEG形式)をメールにてお送り下さい。
69.キッズデザイン連続講座「子ども視点・子ども基準のデザインの実践」
キッズデザイン連続講座 「子ども視点・子ども基準のデザインの実践」お知らせ キッズデザイン協議会が全5回のキッズデザイン連続講座を開催いたします。 本講座はキッズデザイン賞審査委員を始めとするデザイン・クリエイティブの第一線で活躍する講師陣を招き、子ども視点・子ども基準のものづくり、プログラム開発のありかたについて豊富な事例をご紹介するものです。 <開催要領> ■場 所: 日本科学未来館 7階 イノベーションホール http://www.miraikan.jst.go.jp/ 東京都江東区青海2-41 TEL:03-3570-9151 ゆりかもめ テレコムセンター駅から徒歩4分 http://www.miraikan.jst.go.jp/guide/route/ ■内 容: 第1回:キッズデザインの開発コンセプト 講師:赤池 学(科学技術ジャーナリスト/キッズデザイン賞審査委員長) 日時:2008年11月20日(木)15:00~17:00 第2回:子ども目線・子ども視点のものづくりのポイント 講師:益田 文和(プロダクトデザイナー/キッズデザイン賞審査委員) 日時:2008年11月26日(水) 15:00~17:00 第3回:子どもの安全・安心とデザインの関係 講師:石井 賢俊(工業デザイナー) 日時:2008年12月11日(木) 15:00~17:00 第4回:次世代育成プログラムおよび空間開発の動向 講師:大月ヒロ子(ミュージアム&エデュケーションプランナー/キッズデザイン賞審査委員) 日時:2009年1月15日(木) 15:00~17:00 第5回:創造性を育むデザインとは何か 講師:竹村真一(文化人類学者/キッズデザイン賞審査委員) 日時:2009年1月28日(水) 15:00~17:00 ■定 員:各回40名(先着順とさせていただき、定員になり次第、締め切りとさせていただきます) ■受講料:各回1名につき、21,000円(税込) 但し、当協議会会員は無料 ■お申し込み・お問い合わせ: 11月14日(金)までに指定の申込書にご記入の上、FAXで下記までお申し込みください。  申込書はPDSサイトからダウンロードできます。 特定非営利活動法人キッズデザイン協議会 研究開発部 講座・セミナー担当 ...
70.子どもたちの建築デザインー学校・病院・まちづくりー(その4)
著 者: 鈴木 賢一 ISBN:4-540-06245-X 発行所: 農山漁村文化協会 発行日:2006年07月  2章 子どもと学びの環境—欧米の学校建築に学ぶ— 遊びをせんとや生まれけむ 遊びながら学ぶ よりの抜粋 子どもたちが生き生きと健やかに育つことが、困難になってきていることを誰もが実感しています。寝食忘れて思いきり遊ぶことのできる身近な自然はありません。大人たちの仕事や生活にさりげなく触れる機会も失ってしまいました。かつてまちの中には、生活する場と働く場がほどよく混在しており、子どもは大人社会の現実が顔をのぞかせる「道」で遊んでいました。地域の中に子どもからお年寄りまで楽しめる四季折々の伝統的行事や祭りが受け継がれ、特定の地域に生活することの共同意識や帰属感を育んでいました。しかし今では地域全体で楽しむ行事は敬遠され、家庭内での個人的楽しみや地域外へのレジャーが好まれ、地域と子どもとの接点は消滅寸前です。   これまで子どもと学びの環境をテーマに「学校」を取り上げてきましたが、「学校」は子どもたちが「学ぶ」ことに対してひどく寛容なのに、「遊ぶ」ことに関してはしばしば冷たいものがあります。親も社会も、目標の明確な「学び」を強要するばかりで、「遊び」を受け入れるだけの余裕がありません。にもかかわらず子どもに対する自慢話は、きまって「昔はよく遊んだものだ」です。 「遊び」を語らずして、子どもの本質を語ることはほとんど不可能です。子どもにとっての「遊び」は生活のすべてである、とまで言い切る哲学者もいます。子どもにとってそれほどまで意味を持つ「遊び」とはいったい何なんでしょうか。例えば、自立した大人として成長するためのトレーニング、あるいは集団社会に入り込むためのシミュレーションと見ることができます。とすると、「遊び」と「学び」とはいったいどこが違うのでしょうか。「学び」には目的があるが「遊び」は目的をともなわない、という違いがあるかも知れません。しかし、子どもにとって遊ぶこととはつまり学ぶことであり、その違いを探すこと自体があまり意味を持ちません。(P187)     鈴木氏が指摘しているように、こどもたちの育ちの場が少なくなってきているのは事実であり、また、異なる年齢(縦社会)による集団の遊びの機会も減っているようです。 このような社会や地域共同体の変化が及ぼすこどもたちへの影響を調べることは大変重要です。 こどもOS研究会で行う「ぼくらの町のお散歩会!」では、「遊び(=学び)」を通じて「こどもOS」の様々なスタイルを観察・発見するとともに、現代のこどもたちにどのような遊びの場が残されているのか?地域を変えていくつかの小学校とその周囲で調査を行う予定です。     [tag:遊びこどもOS 学び]