子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その2
- 2008年7月25日(金) 16:33 JST
- 投稿者: kawamoto(oidc)
原書名: SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 |
著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 |
ISBN: 9784760122646 (4760122648) |
発行所: 柏 書房 (2002-09-15出版) |
発刊日:1997年3月17日 |
子どもの子ども性 よりの抜粋
- ポリクシニーズ※1は、「さまざまな顔をもつ子ども性」について述べている。息子のフロリツェルは、遊びのなかで数々の大人の役を、次々と演じようとする。ポリクシニーズが楽しんでいるのは、子どもの自由気ままさや、とらわれなく変化していくありようである。
- (中略)
- フロリツェルの子ども性とは、(そして、マクドナルドやOEDの編集者たちが最善の努力でもって定義しようと試みている「子どもの子ども性※2」も)、子どもであることによって生まれる特性である。すなわち、みなぎる活力、あふれる想像力、いろいろなことを試そうとする欲求、相互交流性、変わりやすさなどである。そして、この子ども性こそが、私たちが成長するために欠かせないものなのである。(P97)
ここで語られている「子どもの子ども性」には、最初違和感を覚えました。なぜなら、子どもが子ども性を持っているのは、ある意味あたりまえじゃないかという感覚です。ただ単に「子ども性」だけでいいのではないか?と思ったのです。
しかし、このことばには対になることばがありました。それを知ったとき「あぁ、これは私が小学生の息子に対して、日々使っており、大人としても大事な能力なのだ」と改めて感じたのです。
- ※1 ポリクシニーズ シェイクスピアの『冬物語』第一幕第二場で、登場するボヘミアの王。
- ※2 子どもの子ども性 子ども性とはたとえば、子どものもつみなぎる活力、あふれる想像力、いろいろなことを試そうとする欲求、変わりやすさなどである。これらは子どもが子どもであることによって生まれる特性である。子ども性には大人が子どもに伝えたり期待するものによって規定されていく面もあり、これらは、時代、文化、宗教、個人の感性や好みなどによって変化する。このような多様な子ども性を子ども自身が融合させて自身の子ども性を構築し、子ども時代とはなにか、適切な振る舞いやタブー、特権は何かという感覚をつかんでいくことになる。
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