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子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その1

子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る

原書名 SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉
著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子
ISBN: 4-7601-2264-8
発行所: 柏 書房
発行日:2002年9月15日

「子ども性」という語の意味 よりの抜粋


  • 英語に「子ども性(childness)」という語彙があるが、実際に使われることはほとんどない。『オックスフォード英語辞典』(Oxford English Dictionary 以下OED)をひもとくと、次の二つの意味が載っている。
  • (1)子どもっぽい気質(childish humour)、大人げのなさ(childishness)
  • (2)子どもの特性(child quality)、子どもであること(being a child)
  • (中略)
  • OEDの編集者たちも、既存の形容詞「子どもっぽい(childish)」と「子どものような(childlike)」が意味するものとは違う意味をあらわすことのできる、「子ども性」という名詞を明らかにしようとしているが、十分に成し得ていない。彼らの徒労には同情するが、苛立ちも覚えずにはいられない。
  • ポリクシニーズ※1は「子ども性」というとき、非難の意味をまったく込めていない。それは私たちの言葉では「子どもっぽい気質」とでも呼ばざるを得ない、子どものありようだ。
  • 彼が意味しているのは明らかに「子どもの特性、子どもであること」という、OEDの二つめの意味である。そしてまたポリクシニーズは、「子どもっぽい」「子どものような」という二つの形容詞の意味に少しもとらわれていない。(P96)

 

これは、私が「こどもOS」の説明に苦心していたときに図書館で出会った本です。

「こども性」という言葉が世の中にあることを改めて知り、こどもOSという価値観で「プレイフル・デザイン・スタジオ」を組み立てるときに、非常に参考になりました

 


※1ポリクシニーズ シェイクスピアの『冬物語』第一幕第二場で、登場するボヘミアの王。 

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