2024年11月21日(木) 19:00 JST

子どもとあそび―環境建築家の眼―

子どもと遊び

著 者: 仙田 満
ISBN: 4-00-430253-6
発行所: 岩波新書
発行日:1992年11月20日

 I あそびの原風景 スポーツクラブ よりの抜粋


  • 野球クラブやサッカークラブに入って年長の子どもたちやリーダーと交流することは、子どもたちにとって良いことである。スポーツを楽しむことは子どもにとって大事なことだ。スポーツを否定するつもりはない。しかし小学生の子どもにとって、ルールを自分たちでつくるあそびの方が重要に思える。私は体育やスポーツの苦手な子どもだったが、あそぶのは好きだった。多くの場合、自分勝手にルールをつくってしまったのだ
  • もちろん、私が子どものころから柔道や剣道などのスポーツのおけいこどとはあった。しかし、少なくともボールのスポーツはあそびだった。自由な服装で、ルールを自分たちでつくってあそんだ。ルールをつくることがポイントだった
  • いま子どもたちが入っているクラブとしてのスポーツでは、ルールはすでにある。自分勝手につくってはならない。与えられるものであって、決して自由ではない。(P38)
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プレイフル・デザイン・スタジオ第1回ワークショップでは、こども目線・こどもゴコロで捉えた写真から、こどもの感性や思考・行動を表すキーワードを読み解くというグループ演習を行ったのですが、そこで参加者自らが最も評価したことばとして「Mineるーる」がありました。

これは歩道の敷石、間隔のある道路の縁石、モニュメントなどから、色や形の差をこども自身が自然と読み取り、白と黒、凹と凸、セーフとアウト、ONとOFFなどの自分だけのルールに変換して、同じ色の部分を歩いてみたりピョンピョンと飛んで行ったりして、遊びにしてしまうという行動を捉えて的確に表現したことばです。

仙田氏の著書「子どもとあそび」の中にも、表現は違いますが、こどもたちがつくるあそびのルールの重要性について言及した箇所があります。

「Mineるーる」がこどもOSを構成することばの1つであることが立証できたような気がします。

 

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