2018年11月18日(日) 03:02 JST

第1回「こどもOS研究会・会議」報告

第1回「こどもOS研究会」ミニ演習の結果報告

9月5日(金)に、サントリーミュージアム[天保山]で開催予定の「プレイフル・デザイン・スタジオ」第1回ワークショップ「こどもOS再発見!」(こども目線・こどもゴコロで捉えた写真からの、こどもOSの読み解き)を実施するにあたり、事前のミニ演習を行い、ワークショップの進め具合や問題点、得られる成果などについて話し合った。

趣 旨
こどもの思考や行動、感性をこどもになりきって考える「こどもOS」研究とは、生活者であるこどもをひも解いていく作業。おとなである私たちには難しいが、モノづくりから入っていくよりも間口が広く、しかもベーシックで面白い。企業同士も研究しやすいテーマである。


ミニ演習(こども目線で捉えた写真からの読み解き)
この写真は何を意味しているのか?を「こどもOSマップ」を作ることによってキーワードを抽出し、共通解、個別解として定着し、この写真における「こどもOS」を導きだす。

AEON
課題写真


ワークショップの課題説明 こどもOSマップの作り方(川本)15:00 

  1. 純粋な読み解きを5W1Hで考える
    • Where(どこで)、Who(誰が)、When(いつ)、What(何を)、Why(なぜ〔どんな目的で〕)、How(どのように)したのか。
  2. 類似状況を考える
    • 現在の自分に置き換えてみて、この写真に近い(類似)状況が身近にないかどうか考える。
  3. 過去の記憶に遡る
    • 自分がこども時代の過去の記憶に遡って、写真から導きだされる連想を書き留める。

ワークショップの説明


 個人ワーク こどもOSマップづくり(個人マップ)15:10

Point!
  • 自分が写真の中のこどもになりきって、写真から醸し出されるイメージを出す
  • 枝を伸ばしていくには、大きな概念から小さな概念へ進むこと
  • 文章で書かず、単語(名詞や形容詞、副詞)でキーワードを出す
個人マップ

グループワーク 抽出されたキーワード(個人)の紹介(TEAM X)15:40

大阪府産業デザインセンター・西村

大阪府産業デザインセンター・西村(TEAM X)

  • どこ:橋の下、公園、土管の中、木の下、ブランコのところ
  • いつ:親の買い物のつきあい、親の用事、時間つぶし
  • だれ:兄弟、親戚の子、知らない子
  • なに:ないしょ話、わくわく、ひそひそ、どきどき
  • どうなる:遊びに行く、川へ行く、友達の家に行く、ままごと遊び
積水ハウス株式会社・中村

積水ハウス株式会社・中村(TEAM X)

  • どこ:近郊都市の駅前のショッピングセンター、囲われ感、他人からほったらかされた空間、すきま、パーソナルスペース
  •  
  • いつ:ちょっとお出かけ気分、いつもと違う服(学校は休み)、土曜の昼ぐらい
  • だれ:友達にばったり合った、親を送り出す、お互いに偶然できた自分の時間
  • なに:いつもと違う嬉しさ、誰も来ない、気にしない
キッズデザイン協議会・横井

キッズデザイン協議会・横井(TEAM X) 

  • どこ:大型ショッピングモールの本屋の前の案内板の裏
  • いつ:平日の午後、または土日の午後2時ぐらいランチの後
  • だれ:母親どうしの買い物につきあわされた友達、待ちくたびれて
  • なに:手持ち無沙汰、寄りかかった姿勢が面白い
  • どうなる:親とはぐれる、迷子、館内放送
近畿経済産業局・ 濱崎

近畿経済産業局・ 濱崎(TEAM X)

  • いつ:施設案内板の裏側、こどものスペース、隠れ場所、秘密基地
  • いつ:母親の買い物のつきあい
  • だれ:近所のお友達、知らないどうしかもしれない
  • なに:ゲーム(DS)をやっている、会話
  • どうなる:場所を移動して迷子になる、泣く
  • 結論:こどもの遊び場、待ち合いスペースが必要、昔は大規模店舗などなかった、親の目の届く距離、駆けつけていける

GIS総合研究所・国司

GIS総合研究所・国司(TEAM X)

  • どこ:本屋、いつもと違う秘密の雰囲気
  • いつ:親に連れられてお昼過ぎ
  • だれ:友達どうし
  • なに:飽きてきた、立っているのに疲れてきた、隠れてひそひそ話
  • どうなる:親が捜しにくる、店内放送

共通のキーワードをつなげ、枝をのばしていく

  • ショッピングセンター、親といっしょ、休みの昼過ぎ、待たされ感
  • ひま、たいくつ

異質なキーワードをあつめ、枝をのばしていく

  • 友達・他人、親を送り出す・迷子、ないしょ話・携帯ゲーム、他人(何を話す?)
  • ちょっとお出かけ気分(駅前)—わくわく、秘密の家・秘密基地—ないしょ、ひそひそ、すきまほったらかし・みつけた時間・パーソナルスペース囲われ感—くつろぎ、同じ境遇(共通意識)、親密感、偶然性—どきどき

ワークショップの意見・感想(TEAM X)

  • 場をつくると言えば分かりやすいが、何のキーワードを出すのか
  • こどもが何か欲しいと思っていること、いやだと思っていること
  • 5W1Hはキーワードをまとめにくいが、出発点としては良い
  • 自分の過去の体験を共有化できるか?(原風景が共通かどうか)
  • 客観的事実を出し、そこからこどもの感覚(意味)を出し、その感覚から類似のコトを出す

グループワーク 抽出されたキーワード(個人)の紹介(TEAM T)15:40

松下電工株式会社・寺島 松下電工株式会社・寺島(TEAM T)
大和ハウス株式会社・小池 大和ハウス株式会社・小池(TEAM T)
GIS総合研究所・川添 GIS総合研究所・川添(TEAM T)
積水ハウス株式会社・河崎 積水ハウス株式会社・河崎(TEAM T)
大阪府産業デザインセンター・西田 大阪府産業デザインセンター・西田(TEAM X)

まとめ発表 16:20

TEAM X:の発表は、経過を書き出していますので割愛します。 teamX

TEAM T:写真から読み解ける物語。

平日の昼下がりに、お母さんに連れられて本屋に行った。お母さんは雑誌に夢中で、自分は退屈だ。本屋の外にいい眺めがあるので手すりの方へ行った。手すり を伝って行ったら、こういう空間があった。すっと入ったら気持ちよかった。床はカーペットだし、傾斜のついた背もたれもある。ガラス越しに光も入ってく る。そうすると同じような年頃のこどもがもう一人来た。ひまなので会話が始まった。母親は気づかない、この後どうなったのか?
共通キーワード:安心、ほっとする狭い軒下、背もたれ、足置き、カーペット、快適空間適度な明るさ、外の情報も入ってくる
個人キーワード:田んぼの中の納屋、水車小屋、バイクツーリングの途中、通り雨に遭い、軒下で雨がやむのを待っている、別の方向から女性ライダーがやってきて会話が弾んだ

teamT

ワークショップの進め方・感想(全体)16:30

 

  • 5W1Hではなく、チームごとに切り口(アプローチ)を3つぐらい分けて考えると違いが出て面白い。
  • マップの作り方:空間性がポイントだから共通点を上げて、それを最初のキーワードとした(5W1Hを捨てた)。
  • マップの作り方:時間軸で考えた。この写真の前、最中、後。
  • アプローチは、チームが決めるのが良い
  • 5W1Hでは、次の枝が伸びにくい。アイデアの芽を伸ばせるように。
  • 最後まで解を言わない!現実の空間ではなく、この写真から受けるイメージを大切にする。
  • こどもOSになりきれていない。目的思考。ハウスメーカーだからこどもの空間を考えてしまう。どうやったらリセットできるか。
  • 過去の自分の思い出からは収斂しにくい。形容詞が出てくれば良いが、混在しているときにまとめていく作業がしにくい。
  • 5W1Hでの枝分かれが、何の枝分かれかが分かりにくい。キーワードを並べた。
  • 与えられた写真にどんな枝をつけるか。5W1H、時系列。選択肢を設ける。
  • こどもOSになるようなキーワード。中心に集まる「ことば」。マインドマップとは逆のアプローチだが、最初からキーワードは出ない!
  • ストーリー(プロセス)を考えてしまうので、キーワードは後から出てくる。見たものを記述して要素出しする5W1Hは使える。
  • ストーリーで解釈が異なると、別のストーリーが発生する。
  • しゃべるほど近似値になる、ヒントは言わない。結論はいろいろあっていい。
  • 化学変化を起こさせるのが目的なら属性(違う価値観を持った人)を変えると面白い。
  • 個人のマップがあるとしゃべりやすい。(つくるのに20分から25分かかる)
  • 捨てられるような特殊解にもいいものがあるかもしれない、他の人のマップを見る機会があるといい。
  • こどもチームがあっておとなチームと比較すると面白い。
  • 仕事柄、後期高齢者とこどもの思考とで共通項があると感じている。
  • こどもの気持ちに同化してください。写真の観察ではなく同化。こどもの世界が広がって行く。
  • こどもがやった結果の写真でもよい。行為が見えている写真を使う。

終了 17:00

【第1回こどもOS研究会:参加者】敬称略

国司 輝夫  :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)GIS総合研究所
川添 博史  :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)GIS総合研究所
小池 昭啓  :大和ハウス株式会社・総合技術研究所・生活ソフト研究室
寺島 正之  :松下電工株式会社・デザイン部・UD共創開発G
横井 泰治  :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)キッズデザイン協議会
中村 孝之  :積水ハウス株式会社・技術本部
河崎 由美子 :積水ハウス株式会社・ハートフル生活研究所
杉本  清  :大阪府産業デザインセンター
川本 誓文  :大阪府産業デザインセンター
西村 睦夫  :大阪府産業デザインセンター
西田 恵一  :大阪府産業デザインセンター

(オブザーバー)
濱崎  浩   :近畿経済産業局