第1回「こどもOS研究会・会議」報告
- 2008年7月29日(火) 16:42 JST
- 投稿者: kawamoto(oidc)
第1回「こどもOS研究会」ミニ演習の結果報告
9月5日(金)に、サントリーミュージアム[天保山]で開催予定の「プレイフル・デザイン・スタジオ」第1回ワークショップ「こどもOS再発見!」(こども目線・こどもゴコロで捉えた写真からの、こどもOSの読み解き)を実施するにあたり、事前のミニ演習を行い、ワークショップの進め具合や問題点、得られる成果などについて話し合った。
趣 旨
こどもの思考や行動、感性をこどもになりきって考える「こどもOS」研究とは、生活者であるこどもをひも解いていく作業。おとなである私たちには難しいが、モノづくりから入っていくよりも間口が広く、しかもベーシックで面白い。企業同士も研究しやすいテーマである。
ミニ演習(こども目線で捉えた写真からの読み解き)
この写真は何を意味しているのか?を「こどもOSマップ」を作ることによってキーワードを抽出し、共通解、個別解として定着し、この写真における「こどもOS」を導きだす。
ワークショップの課題説明 こどもOSマップの作り方(川本)15:00
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個人ワーク こどもOSマップづくり(個人マップ)15:10
Point!
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グループワーク 抽出されたキーワード(個人)の紹介(TEAM X)15:40
共通のキーワードをつなげ、枝をのばしていく
- ショッピングセンター、親といっしょ、休みの昼過ぎ、待たされ感
- ひま、たいくつ
異質なキーワードをあつめ、枝をのばしていく
- 友達・他人、親を送り出す・迷子、ないしょ話・携帯ゲーム、他人(何を話す?)
- ちょっとお出かけ気分(駅前)—わくわく、秘密の家・秘密基地—ないしょ、ひそひそ、すきま、ほったらかし・みつけた時間・パーソナルスペース、囲われ感—くつろぎ、同じ境遇(共通意識)、親密感、偶然性—どきどき
ワークショップの意見・感想(TEAM X)
- 場をつくると言えば分かりやすいが、何のキーワードを出すのか
- こどもが何か欲しいと思っていること、いやだと思っていること
- 5W1Hはキーワードをまとめにくいが、出発点としては良い
- 自分の過去の体験を共有化できるか?(原風景が共通かどうか)
- 客観的事実を出し、そこからこどもの感覚(意味)を出し、その感覚から類似のコトを出す
グループワーク 抽出されたキーワード(個人)の紹介(TEAM T)15:40
松下電工株式会社・寺島(TEAM T) | |
大和ハウス株式会社・小池(TEAM T) | |
GIS総合研究所・川添(TEAM T) | |
積水ハウス株式会社・河崎(TEAM T) | |
大阪府産業デザインセンター・西田(TEAM X) |
まとめ発表 16:20
ワークショップの進め方・感想(全体)16:30
- 5W1Hではなく、チームごとに切り口(アプローチ)を3つぐらい分けて考えると違いが出て面白い。
- マップの作り方:空間性がポイントだから共通点を上げて、それを最初のキーワードとした(5W1Hを捨てた)。
- マップの作り方:時間軸で考えた。この写真の前、最中、後。
- アプローチは、チームが決めるのが良い
- 5W1Hでは、次の枝が伸びにくい。アイデアの芽を伸ばせるように。
- 最後まで解を言わない!現実の空間ではなく、この写真から受けるイメージを大切にする。
- こどもOSになりきれていない。目的思考。ハウスメーカーだからこどもの空間を考えてしまう。どうやったらリセットできるか。
- 過去の自分の思い出からは収斂しにくい。形容詞が出てくれば良いが、混在しているときにまとめていく作業がしにくい。
- 5W1Hでの枝分かれが、何の枝分かれかが分かりにくい。キーワードを並べた。
- 与えられた写真にどんな枝をつけるか。5W1H、時系列。選択肢を設ける。
- こどもOSになるようなキーワード。中心に集まる「ことば」。マインドマップとは逆のアプローチだが、最初からキーワードは出ない!
- ストーリー(プロセス)を考えてしまうので、キーワードは後から出てくる。見たものを記述して要素出しする5W1Hは使える。
- ストーリーで解釈が異なると、別のストーリーが発生する。
- しゃべるほど近似値になる、ヒントは言わない。結論はいろいろあっていい。
- 化学変化を起こさせるのが目的なら属性(違う価値観を持った人)を変えると面白い。
- 個人のマップがあるとしゃべりやすい。(つくるのに20分から25分かかる)
- 捨てられるような特殊解にもいいものがあるかもしれない、他の人のマップを見る機会があるといい。
- こどもチームがあっておとなチームと比較すると面白い。
- 仕事柄、後期高齢者とこどもの思考とで共通項があると感じている。
- こどもの気持ちに同化してください。写真の観察ではなく同化。こどもの世界が広がって行く。
- こどもがやった結果の写真でもよい。行為が見えている写真を使う。
終了 17:00
【第1回こどもOS研究会:参加者】敬称略
国司 輝夫 :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)GIS総合研究所
川添 博史 :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)GIS総合研究所
小池 昭啓 :大和ハウス株式会社・総合技術研究所・生活ソフト研究室
寺島 正之 :松下電工株式会社・デザイン部・UD共創開発G
横井 泰治 :特定非営利活動法人NPO(内閣府認証)キッズデザイン協議会
中村 孝之 :積水ハウス株式会社・技術本部
河崎 由美子 :積水ハウス株式会社・ハートフル生活研究所
杉本 清 :大阪府産業デザインセンター
川本 誓文 :大阪府産業デザインセンター
西村 睦夫 :大阪府産業デザインセンター
西田 恵一 :大阪府産業デザインセンター
(オブザーバー)
濱崎 浩 :近畿経済産業局