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31.Playful Design Studio@應典院 13,Mar,2009
3月13日、下寺町の應典院にてプレイフル・デザイン・スタジオ第3回ワークショップ 「気づき」からのデザイン〜 感覚を開き、脳を開く〜 を行いました。 今回のテーマは「気づき」。何に気づいて欲しいのかというと、世の中のどんなにあたりまえだと思われることにでも“想像の広がりと可能性”はあるのだということ。 おとなの価値観や既成概念は、時に本質を覆い隠すフィルターにもなります。それを、こどもOSによって気づいていただくために、ユニバーサル・デザインに基づく体験型のメニューや触覚体験を取り入れて感覚の開放、記憶の再生を試みました。 こどもOS研究会では、プレイフルなワークショップのためにファシリテータの田中先生と何度もミーティングを重ね、フルコースのメニューを考えました。 参加者からは、 「料理の数が多すぎてゆっくりと味わう暇がなかった」 、 「料理の味わい方まで指導されてやらされ感があった」 などの反省すべき点も指摘されましたが、概ね 「楽しかった、面白かった、美味しかった!」 という感想をいただきました。 皆様の貴重な意見を次回のワークショップに反映させていきたいと思います。 併せて、この場をお借りしましてスタッフの皆様の頑張りにお礼申し上げます。「どうもお疲れさまでした。」 なお、当日のリアルタイムドキュメンテーションは、神戸芸術工科大学 曽和先生のサイト「Documentation Design Laboratory」でご覧になれます。 ( 画像をクリックすると実寸大表示できます。 ) 主  催 NPO法人キッズデザイン協議会 こどもOS研究会 共  催 應典院寺町倶楽部 こどもOS研究会リーダー 大阪府産業デザインセンター  川本 誓文 積水ハウス株式会社      中村 孝之 ワークショップ ファシリテーション 田中  賢  日本福祉大学 准教授 ドキュメンテーション・リフレクション  曽和 具之  神戸芸術工科大学 准教授  司  会 寺島 正之  パナソニック電工株式会社 デザイン部 ドキュメンテーションスタッフ 柴田あすか  神戸芸術工科大学  佐藤 久恵  神戸芸術工科大学  キーワード記録 多田 静香  同志社女子大学   高橋 信晶  神戸芸術工科大学  竹田  純  神戸芸術工科大学  長岡 真央  神戸芸術工科大学  朝倉 輝味  神戸芸術工科大学  川添 博史  GIS総合研究所  展示協力「触感の環」 ...
32.子どもアートボランティア講座3
少し前になりますが1月10日(土)、うっすらと雪化粧した大文字を臨む「京都市立北白川小学校」を会場に開かれた「子どもアートボランティア講座3」に行ってきましたので報告します。  京都造形芸術大学こども芸術学科で、保育や人間教育の新しい可能性を開く人材を育てている水野先生と、陶芸屋台カフェを引いて全国の路上・公園・空き地に出没し、「野点」でコミュニケーションアートをしかける芸術家、きむらとしろうじんじんさんとのアート対談でした。  メインの講座は午後からで、テーマは『学校にアーティストがやってくる!「アートでひらくこどもと社会」。』  保育士や子育て中の女性、ミュージアムの運営者、芸大の先生や学生・・・etc. 皆さん何らか子ども教育やアートに関わりのある、熱心な参加者が三十数名。  「アートで何を開くの?」「こどもと社会の関わりって?」「こどもって何、おとなって何」「アートは何をクリエイトするの?」といった、結構深くて簡単には答えの出そうにないことをテーマに、参加者も最近の話題や悩みを語りあって、最後にはアートの枠組みにまで行きついて・・・「それじゃあアートだって宣言することと、しないことにどういう意味があるの?」などと通常では重苦しくなってしまいそうな雰囲気なのですが、全然そうではなくて、講座は終始なごやかに和気あいあいと進行したのです。  その理由は、間違いなく会場に4人の子どもたちがいたからです。この子たちがホワイトボードを使って歓迎のおもてなしをしてくれたり、大人の話に時たま“ちゃちゃ”を入れてくれるのです。   参加者の自己紹介のときには、主催者の方が「別に本名を名乗らなくても、嘘の名前でもニックネームでもいいんですよ〜」と茶化すと、あるこどもが、お話のなかに登場してくる人物のような、まったくのデタラメ自己紹介を延々と即興でやってのけてしまって、全員が拍手喝采!  大人だ!子どもだ!と、大人は何でそんなつまらないことにこだわっているんだろうと言わんばかりに「おとなのようなこどもは、“おとも”」、「こどものようなおとなは、“こどな”」と絶妙のタイミングでアドリブを飛ばしてくれて会場は大爆笑!(しかし核心を突いていることは確かです) そんなこんなで講座の主役は完全にこどもたちにさらわれてしまいました。  大人は望むと望まないにかかわらず、あらゆるところで枠に絡めとられてしまいます。アートでさえも純粋芸術(ピュア・アート)大衆芸術(ポピュラー・アート)限界芸術(マージナル・アート)ができてしまうように、部分的な偏った存在に押しやられて・・・。 しかし、こどもたちの思考は未分化な状態としての「全体性」で迫ってきますから、大人は勝負になりません。しかも話はかみ合っているのですから「こども」恐るべしですね! 実は午前中に行われた「おさんぽ会」の方が数倍楽しかったので続けて報告します。
33.PDSワークショップ/ドキュメンテーションDVD頒布のお知らせ
 プレイフル・デザイン・スタジオ第1回ワークショップ「こどもOS再発見!」   ドキュメンテーションDVD-vol.1    プレイフル・デザイン・スタジオ第2回ワークショップ「大阪ことばからのイメージ創造」   ドキュメンテーションDVD-vol.2   「プレイフル・デザイン・スタジオ(PDS)」第1回・第2回のワークショップの模様を収めたドキュメンテーションDVDを実費にて頒布いたします。 ご希望の方は、下記内容をご覧の上、神戸芸術工科大学曽和研究室までメールにてお申し込みください。   1)内容 当日の活動の様子のわかるショートムービー(vol.1, vol.2) 講演ビデオ(vol.2) 写真データ(vol.1) キーワードデータ(vol.1) 2)再生方法 ビデオは家庭用DVDプレーヤーでの再生が可能です(vol.1, vol.2) webコンテンツについては、お持ちのコンピュータでご覧ください(vol.1) 3)注意事項 DVDパッケージも記載しておりますが、個人情報を含んでいますので、インターネットなどへの投稿などはご遠慮ください。 4)価格 各2,000円 5)購入方法 右のメールアドレス(神戸芸術工科大学曽和研究室)に下記内容を添えてお申込みください。(頒布を終了しました) 「希望するDVD番号(vol.1,vol2)」「送付住所」「宛先」「連絡方法(電話・メールなど)」「領収書の有無」を記載してください。 折り返し、振込先などをご連絡いたします。 振込が確認され次第、発送いたします。(振込手数料のご負担をお願いいたします)   ワークショップ企画・実施:特定非営利活動法人(内閣府認証NPO)キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」 内容についてのお問合せ先: 大阪府産業デザインセンター(こどもOS研究会リーダー) 〒540-0029 大阪市中央区本町橋2-5 マイドームおおさか4階 TEL:(06)6949-4791 FAX:(06)6949-4792 E-mail :pds@oidc.jp [tag:ワークショップ ドキュメンテーション DVD]
34.こどもの感性に学ぶアイデア・デザイン発想ワークショップ
「こどもOSランゲージ」は、既成概念に捕われないこどもたちの思考や行為など、“こどもの感性”に着想を得て、キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」が開発したアイデア/デザイン発想ツールです。 こどもの頃に誰もが経験したことのある遊びや楽しみは、私たちが本質的に持っている情緒的な価値観の源泉であるとともに、創造的なアイデアを生み出す“デザイン言語”でもあります。 本ワークショップでは「こどもOSランゲージ」の概念を発想法としてツール化した「プレイフル・デザイン・カード」を利用して、商品やサービスの開発ですぐに使えるアイデア・デザイン発想ワークショップを実施します。 こんな悩みにお応えするのが「こどもOSランゲージ」ツールです! 「開発したいテーマはあるが、画期的なアイデアが思い浮かばない・・・」 「社会通念、既成概念に捕われ過ぎて、商品企画がうまく進まない・・・」 「活発な意見が飛び交う遊びゴコロのある開発会議を模索している・・・」   日 時:平成28年7月15日(金)・22日(金)午後3時〜6時 会 場: マイドームおおさか 4階 研修室(大阪市中央区本町橋2-5) 講 師:大阪府産業デザインセンター 主任研究員 川本誓文(キッズデザイン協議会 こどもOS研究会 リーダー) 対 象:商品企画・デザイン担当者等 (wifi機能付きのノートパソコンがあればご持参ください) 定 員:25名(定員に達し次第締め切らせていただきます) 受講料:無 料 申込み:右のメールアドレスまで必要事項(氏名・会社名・所属・連絡先)をご記入の上お申込みください。送付先:pds@oidc.jp 主 催:大阪府産業デザインセンター 協 力:キッズデザイン協議会
35.プレイフル・デザイン・スタジオ 第2回ワークショップ参加者募集のご案内
 こどもOSによる新しいモノづくり発想 「プレイフル・デザイン・スタジオ」参加者募集のお知らせ 主催:キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」(リーダー:大阪府産業デザインセンター、積水ハウス株式会社)  「プレイフル・デザイン・スタジオ」は、「こどもOS※(=こどもに備わった独特の思考や感性、行動など)」を読み解き、社会の新たな価値創造につながる遊びゴコロに満ちあふれたデザイン発想を引き出すための取り組みです。  第2回ワークショップでは、大阪ことばが持つ魅力と奥深さに迫りながら、こどもを表す大阪ことば「いちびり」「やんちゃ」「しっかりもん」「かいらし(い)」などから、ことばの持つイメージと商品の関係を探ります。 ※「こどもOS」とは、こども目線やこどもゴコロでものごとを見聞きし、感じ ることによってデザインの創造性を引き出す行為であり、こども本来が持っている能力(豊かな感受性や想像力、直感力など)ととらえ、コンピュータの基本 ソフトウェア(OS)になぞらえて命名しました。  【と き】平成20年 10 月 24 日(金)13:00〜16:30(受付12:30から1階入口にて) 【ところ】大阪府立中之島図書館 3階 文芸ホール(国指定重要文化財) (大阪市北区中之島1丁目2−10)http://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/ 地下鉄御堂筋線・京阪線「淀屋橋駅」下車1号出口から北東へ約300m  地下鉄堺筋線・京阪線「北浜駅」下車北西へ約500m  京阪中之島線(10月19日開業予定)「大江橋駅」下車東へ約300m、「なにわ橋駅」下車西へ約300m 【内 容】テーマ: 「大阪ことばからのイメージ創造」 大阪ことばで身近な商品をイメージ分析 (1)大阪ことばの魔力と魅力 〜頭と心のコリをほぐそう〜 (2)大阪ことばによる商品のイメージ分析からプチ提案まで 大阪ことばについて解説を行った後、グループ演習で身近な商品からイメージされることばを導き出し、分析します。 遊び心の中で発想力を養うワークショップです。 ワークショップの進行を撮影・編集した映像(ドキュメンテーション)での振り返り(リフレクション)【ワークショップの省察】)を最後に行います。 ファシリテーション:  福井 栄一 上方文化評論家 大阪府吹田市出身。京都大学法学部卒業。京都大学大学院法学研究科修了。 世界初の「上方文化評論家」として著書『上方学』(PHP文庫)を刊行し、「上方学」を創始。上方の歴史文化や芸能に関する著作を次々に発表するとともに、上方文化の語り部として全国各地で精力的に講演を行う。テレビやラジオにも出演。まったりとした「福井節」で人気を集めている。  川本 誓文 大阪府産業デザインセンター主任研究員 ドキュメンテーション:  曽和 具之 神戸芸術工科大学 准教授 【対 象】「キッズデザイン」や「こどもOS」に関心をもつ企業の企画開発担当者、デザイナー、デザイン系学生など 【参加費】無料 【定 員】32名(先着順受付、定員に達し次第締め切ります) 【共 催】大阪府立中之島図書館 【申込み】 このワークショップは終了しました。 参加申込みページから必要事項(1.氏名、2.所属(企業・大学名、所属、学科名)、3.郵便番号/所在地、4.電話番号(固定または携帯)5.メールアドレスを記載し、お申し込みください。後ほど、参加決定通知をお送りします。 参加者決定通知を受けられた方は、10月20日(月)17:00までに、あなたの身の回りの商品で「いちびり、やんちゃ、しっかりもん、かいらし(い)」のいずれかを連想する写真1枚(1M未満、jpeg形式)に簡単な解説を添えて下記までEメールにてお送り下さい。 写真は、ご自身の所有するものか、ご自身で撮影されたもので、他人の著作権に触れないもの。(店舗、ショールームでの写真やインターネットから無断で取得した写真は著作権に触れるおそれがありますのでご注意ください。) 【送付先】 大阪府産業デザインセンター Eメールアドレス:pds@oidc.jp 【問合せ】 ...
36.ムーミンパパの「手帖」トーベ・ヤンソンとムーミンの世界(その5)
著 者: 東 宏治 ISBN:4-7917-6312-2 発行所: 青土社 発行日:2006年12月30日  4 スナフキンと自由 よりの抜粋 スナフキンがとりわけ嫌うものが三つあって、ひとつはいま見た「家」、もうひとつは他人のおせっかい(「ぼくの探しているものは、おせっかいされないことさ(同139/146頁))、三つ目は、例えば「立入禁止」などと書かれた看板である。とくに看板に対する嫌悪は、いつも冷静な彼らしからぬ感情的な異常な興奮ぶりを見せる。『ムーミン谷の夏まつり』のなかでは、彼は、公園番の夫婦が芝生のまわりに囲いをし、いたるところに「煙草をすうべからず」、「芝生の上に座るべからず」、「笑ったり口笛を吹くべからず」、「跳びはねるべからず」といった人に禁止したり命令したりする看板を立てていることに腹を立て、ニョロニョロの種を使って夫婦を感電させて追っ払い、看板を全部ひき抜いてしまう。また『ムーミン谷の十一月』では、ヘムレンさんが単に「ムーミン谷」と書いた看板を橋の手摺に打ちつけただけで、気狂いみたいにとり乱す。「スナフキンのことを少しでも気をつけて見ている人だったら、この世の中には、たったひとつだけスナフキンを怒らせ、悲しませ、気狂いみたいにさせるものがある—それは看板だってことを知っているはずでした。もうスナフキンは気狂いみたいになっていました。金切り声をふりしぼり、手を振り足を踏みならし、世界中の釘という釘をみんなひっこ抜いてしまわなければ気が治まらなくなったみたいでした。(同書137/144頁)」   スナフキンが、一方で、家を嫌悪し、他人のおせっかいを嫌い、人に命令したり禁止したり人を閉めだしたり束縛したりする看板を憎むことは、他方で、ひとりでいることを好み、テント生活を愛し、旅を偏愛することと同一のことがらで、つまりそれは、彼が自由を愛しているということであり、自由を束縛するものを憎んでいるということなのである。(P45)   「なぜ滑るのか?」とこどもたちに問えば、「そこに山があるからだ!」と答えるに決まっている、おあつらえ向きの小山が公園の中にあります。しかも、滑って下さいと言わんばかりに芝生で覆われているのです。 こどもたちはわくわくしながら段ボールを持ってきて、思い思いの所から楽しそうに、はしゃぎながら滑っています。 しかし、左の写真の無粋な看板はいただけません。スナフキンでなくともひっこ抜きたくなります。せっかくの景観をぶち壊しています。 魅力的な山を作っておきながら遊ばせないという不条理には、日本特有の責任のなすりつけあいと自由に対する大人のねじ曲がった解釈が存在しています。 これは肯定すべきリスクであって断じてハザードではないということを良識あるおとなは理解しなければなりません。     あぶない!やまからすべりおりることはきけんです。やめましょう。○○しやくしょ   [tag:束縛と自由 こどもOS]
37.第1回きずなをむすぶワークショップ
みなさんこんにちは、PDS事務局の川本です。 桜もそろそろ散り染めですが快晴に恵まれた11日の土曜日、「こどもOS研究会」で一緒に活動している大和ハウス工業・総合技術研究所の高瀬さんとともに、まちなかジーヴォ箕面粟生新家で開かれた「第1回きずなをむすぶワークショップ」でファシリテータを務めて参りました。 このワークショップは大和ハウス工業が主催しており、実際の“まちなか”に建てた地域密着型のオープンハウスを会場に、地元のこどもたちとシニアの方々との「地域交流」、「世代間交流」、「日本文化の伝承」、「子育て支援」、『市民活動支援」などを目的に、半年間(月1回)のプログラムを組んで行うものです。 私はこどもOS研究会のリーダーとして「こどもOS」が捉えられる現場には積極的に関りたいという想いと、ファシリテータの経験を積むために参加しています。 第1回目のテーマは「おはし」。食にからめてお箸のマナーを学ぼうというものです。 まずは皆さんの緊張を解きほぐすために、お箸をつかって小豆とお米を小鉢に移し替えるゲーム「おはしDE移動」を行いました。     今回参加してくれたこどもたちは、幼稚園の年長さんと小学校低学年の合わせて5名でしたが、みんな上手にお箸を使ってくれました。     緊張がほぐれたところで、牡丹の花をモチーフにしたネームカードづくり。塗り絵をしてニックネームを書き、それぞれ自己紹介してもらいました。     続いて高瀬さんと私が「嫌い箸」と呼ばれる、やってはいけないお箸の使い方をコント形式で実施し、正しいかどうかを○×で答えてもらいました。 「握り箸」「寄せ箸」などの名前は知らなくても、何が悪いのかということにはみんなすぐに気づいてくれました。     「小豆」「牡丹」「お箸」とくれば・・・締めくくりは「ぼた餅」づくり。もち米を搗いて、こしあんでくるんで。大小様々なぼた餅が出来上がりました。     ワークショップの締めくくりにぼた餅を「桜茶」といっしょにみんなでおいしくいただきました。     参加していただいた皆さん、シニアボランティアの方々、a〜yuのお二人、市民活動フォーラムみのおの須貝さん。どうもありがとうございました。 最後は満開の桜の下で記念撮影です。来月も報告します。お楽しみに! [tag:きずなをむすぶワープショップ お箸 ぼた餅 市民活動フォーラムみのお]
38.第3回きずなをむすぶワークショップ
みなさんこんにちは、PDS事務局の川本です。 豊かな自然が広がる箕面の里山に近い閑静な住宅街の一角、まちなかジーヴォ箕面粟生新家で20日の土曜日、「第3回きずなをむすぶワークショップ」が開かれました。 今回のテーマは「しずく」。しずくを通して自然の美しさに気づけるように、梅雨の時期でも家の中で楽しく過ごせるいろんな遊びを考えました。 工作しやすいように2階のリビング(フローリングの床)をメインルームに選び、ブルーシートを敷きました。3回目で名札づくりも自己紹介もスムーズです。     今回も「a〜yu」の坂元さんに協力していただき、童謡などみんなの知ってる歌を取り入れたワークショップです。 新しいお友達も増えて、合わせて9名が参加してくれました。     ウォーミングアップはカエルチームとホタルチームに分かれて、巨大囲碁盤の上でゲーム開始!「ふれあい囲碁」は相手チームの碁を囲めば勝ちです。 大人が見本を見せることになりましたが本気モードでなかなか決着がつきません。こどもそっちのけで楽しんでしまいました。う〜ん予想外。     「あめあめ ふれふれ かあさんが〜♪」 みんなで歌いながら1階のダイニングに降り、次はペットボトルの中に雲をつくる実験です。 “フィズキーパー”という炭酸飲料を保存する道具を使ってボトルの内圧を高め、一気に空気を抜くと・・・あらあら不思議?中の水滴が細かな水の粒になって霧のよう。 しずくをつくる実験は、ハスの葉にスポイトで水を垂らします。コロコロとハスの葉の上を転がる水滴はどんな形になったかな?     続いて1階のリビングでカップゼリーを食べながら箕面の粟生間谷で撮ってきた里山の自然と生き物のDVDビデオを鑑賞しました。 山に降った雨はやがて小川のせせらぎとなり、田植えの終わった水田に流れ込みます。 その回りにはあじさいやアザミ、サワガニ、カエル、シマヘビ、アメンボなどなど、豊かな自然が自分たちのすぐ側に広がっていることに気づいてもらえたでしょうか。 その後、高瀬さんからは「しずくのぼうけん」の絵本を読み聞かせてもらいました。「しずくは誰に会いに行ったのかなー?」     再び2階に上がって折り紙工作です。おっと、その前に打ち解けてきたこどもたちは、クローゼットでかくれんぼを始めました。 工作用に用意したコルクボードはバランスゲームの道具になってしまいました。     あじさいの花の折り方を丸くなって教え合います。カップゼリーの容器に花をくっつけて「できたー!」葉っぱやオタマジャクシ、カニもいて賑やかです。     小さいこどもは色紙をちぎって張り付けるだけでも立派なあじさいが出来上がります。葉っぱのあしらい方も臨機応変がかえって斬新です。    最後はまちなかジーヴォの前で力作とともに記念撮影をしました。  参加していただいた皆さん、地域ボランティアの松尾さん、柴崎さん、a〜yuの坂元さん、同志社女子大の多田さん、どうもありがとうございました。 来月も報告します。お楽しみに! [tag:きずなをむすぶワープショップ 里山 折り紙 しずく 家遊び 市民活動フォーラムみのお]
39.こどもの感性に学ぶアイデア・デザイン発想ツール
キッズデザイン協議会から、アイデア・デザイン発想のためのツール「こどもOSランゲージ」(冊子・発想カード)をセットでご購入いただけるようになりました。 価格は、キッズデザイン協議会会員が¥3,000- 非会員が¥5,000- 双方とも税込/送料別となります。 詳しくは、本チラシをダウンロードしていただき、キッズデザイン協議会までお問い合わせください。 https://pds.oidc.jp/filemgmt_data/files/kodomoOSlanguage.pdf
40.第4回きずなをむすぶワークショップ
みなさんこんにちは、PDS事務局の川本です。 蒸し暑さの増す7月ですが、まちなかジーヴォ箕面粟生新家では11日の土曜日、元気なこどもたちを迎えて「第4回きずなをむすぶワークショップ」が開かれました。 今回のテーマは「かぜとおと」。ジメジメして不快な季節を少しでも快適に過ごせるよう、部屋の風通しを良くする工夫を学びながら、風を感じられる楽しい工作も行いました。     ワークショップも今日で4回目。会を重ねるごとに友達も増え、緊張もほぐれてきて、挨拶も笑顔です。     今回も「a〜yu」の坂元さんに協力していただき、大きな風チームと小さな風チームに分かれて「おおきなかぜ」を歌いました。 続いて「風と音をはかろう!」では、高瀬さんが研究所から高価な計測器(風速計・温湿度計・騒音計)を借りてきてくれました。     さっそく2階の洋間で実験です。閉め切った部屋では何度かなー?32.8℃。じゃぁ窓を開けてみよう!・・・31.7℃、ちょっと下がったねぇ。 それじゃぁ階段の上の高窓を開けてみるよ。今度は窓に垂らしたリボンが揺れ出した。風速はどうかな?・・・0.15。そよそよと吹いているね。 今度は窓から外を通る自動車の騒音を測ってみよう!・・・針が動いた!!!70デシベル。あぁ〜窓から落とさないようにしっかり持っててね(^_^;     部屋に戻って音当てクイズです「カラ♪カラン♬」、これは何かな?・・・「氷の音!」。「正解!」大和ハウチュからみんなに冷たい飲物のサービスです。 「トン♪トン♪トン♪トン♪」。これは何かな?・・・「まな板の音」。お〜っ!キッチン以外で包丁持って現れるとちょっと恐いね・・・。 それじゃぁそろそろ音をつくろう♪今日はみんなで風鈴を作ります。好きな植木鉢を選んでね!     ミニミニ植木鉢に絵を描いたりキラキラシールを貼ったりして、自分だけの風鈴を作ってください〜。 プラ板にマジックで絵を描いて、トースターで焼いて短冊もつくろう。最近、ウインクしてる女の子のイラストが流行ってるねー。マンガの影響?         みんな、それぞれに思い思いの風鈴ができ上がりました。「カララン♬カラン♪」音も涼しげです。     早くできた子は、ストローと発泡パネルを使ってパンフルートづくりもしました。    いつも甘えん坊のジョー君ですが、今回は1歳の男の子が来てくれて、しっかりとお兄ちゃんでした。最後は2階のファミリースペースで記念撮影をしました。  参加していただいた皆さん、地域ボランティアの野崎さん、松尾さん、柴崎さん、a〜yuの坂元さん、市民活動フォーラムみのおの有光さん、同志社女子大の多田さん、どうもありがとうございました。 来月も報告します。お楽しみに! [tag:きずなをむすぶワープショップ 風鈴 風と音 市民活動フォーラムみのお]
41.第2回きずなをむすぶワークショップ
みなさんこんにちは、PDS事務局の川本です。 新緑が眩しい箕面の山々を背景にしたまちなかジーヴォ箕面粟生新家で16日の土曜日、「第2回きずなをむすぶワークショップ」が開かれました。 第2回のテーマは「おふろ」。お風呂にちなんだ日本の伝統文化を学び、現代の暮らしに潤いを。家庭でもできるちょっとした工夫を学ぼうというものです。 そこで今回は和室をメインルームに選びました。まずはネームカードカードに塗り絵をして自己紹介からスタートです。     今回は、幼稚園の年少さんから小学校4年生までの合わせて10名が参加してくれました。「みんなちょっと緊張気味かな〜」     「それじゃぁおふろに行ってみよう!」浴室からは「しょうぶ」の甘く薬草っぽい香りが漂います。5月の「菖蒲湯」は端午の節句で“勝負”にちなんだ縁起もの。     「みんな、季節湯ってわかったかな? 床の間に活けてある《花菖蒲》と《しょうぶ》は違う種類なんだよ!」     続いて行われた「ハーブ探検隊」は、ラベンダー、アップルミント、月桂樹など、瓶に入った5種類のハーブの香りから同じ香りの葉を当てるゲームです。     ボランティアの方々が一階と二階の5つの部屋に分かれてこどもたちを迎えます。家中を巡り、何度も何度も確かめるように匂いを嗅いで、みんな夢中で遊んでくれました。     最後はバスボム(入浴剤)づくり。「姉さんかぶり」「子守りかぶり」「ぬすっとかぶり」手ぬぐい被って気合いを入れよう!「おや、ギャングかぶり?」     バスボムは、重曹にクエン酸、塩、グリセリン、食紅とアロマオイルを混ぜて固めます。お風呂に入れたときにシュワシュワと泡立つのは重曹の効果です。     香りは5種類。ローズ、サンダルウッド、カモミール、ペパーミント、ラベンダー、みんな思い思いのバスボムを自分でこしらえて自慢げです。 最後に玄関の階段で記念撮影したところ、思いがけず「こどもOS」のシャッターチャンスがありました。こどもはこういうところで遊びたいものです。     参加していただいた皆さん、地域ボランティアの高山さん、柴崎さん、野崎さん、a〜yuの坂元さん、市民活動フォーラムみのおの須貝さん。どうもありがとうございました。 来月も報告します。お楽しみに! [tag:きずなをむすぶワープショップ おふろ 菖蒲湯 ハーブ バスボム 市民活動フォーラムみのお]
42.キッズデザイン賞フューチャーアクション賞
先般の授賞式で、キッズデザイン協議会からいただきました、第4回キッズデザイン賞フューチャーアクション賞(経済産業大臣賞)の賞状です。   下に金色の帯が入り、経済産業大臣の印も朱肉で押され、印刷ではありません。 大変ありがたい賞をいただいたという実感と、中途半端には終われないなというプレッシャーを感じる今日この頃です。   今年は、小冊子づくりに向けて、引き続き頑張る所存です。 皆さんご支援よろしくお願いします。 大阪府産業デザインセンター 川本
43.天に落ちる その1
著 者:シェル・シルヴァスタイン 訳 者:倉橋由美子 ISBN:4-06-208537-2 発行所: 講談社 発行日:2001年10月31日 歩道を歩く よりの抜粋   歩道を歩く   ひびわれを踏むと   母親の背骨が折れるそうだ   でもそんなこと迷信だ ハハハ   おっと いけね ごめんよ ママ  (P43)   「ひびわれを踏むと、母親の背骨が折れる」というルールは、ちょっとシュールだけど、この作者が決めたルールです。 その時々でどんなルールにするかは、こども自身が決めること。 要は“自分の決めたルールを自分で守りたいと感じるかどうか”なんですね。       [tag:あそびのルール mineるーる こどもOS]
44.子どもたちの建築デザインー学校・病院・まちづくりー(その3)
著 者: 鈴木 賢一 ISBN:4-540-06245-X 発行所: 農山漁村文化協会 発行日:2006年07月  2章 子どもと学びの環境—欧米の学校建築に学ぶ— 子どもを誘う教室の床  行動と環境の関係 よりの抜粋 建築や都市を語る視点はいくつもありますが、最も重要な視点の一つは、人間の行動と環境との関係です。物理的環境のあり方は、意識するとしないにかかわらず人の心理や行動に驚くほど影響を与えています。最近、従来の都市計画学に加えて、環境心理学あるいは環境行動学といわれる研究領域の活動が盛んです。人間の心理や行動と環境との関係を本質的に明らかにしようという動きです。   ギブソン(J.J.Gibson)は環境と知覚とが切っても切れない関係にあることを、アフォーダンス(affordance)という概念で説明しようとしました。人によって発見される環境の資質や情報(行為の可能性)に着目し、afford(提供する)という動詞を用いてつくられた新たな言葉です。   抽象度の高い概念ですので、すぐには理解し難いのですが、人が人工環境を行き交う都市に目を転ずると、そこには行動と環境の関係を説明するための絶好の材料がそろっています。(P107)     こどもOS研究会でもこども目線・こどもゴコロの読み解き方の核となる「アフォーダンス」の概念ですが、一般的にデザインではなく、認知心理学や認知科学の分野で語られています。 「主体(人間)の側ではなく、客体(環境)の側にこそ行為の可能性が潜在的に存在していて、人間はそれを状況に応じて読み取っているのだ」というギブソンの主張は、人間が環境から価値を見出しているとする人間中心主義の立場からは想像しにくいものです。 しかし、しばしば私たちがこどもの行動を読めないというのは、環境に対するこども目線のアフォーダンスが存在しているからではないでしょうか。 それは、こどもの「ごっこ遊び」や「いたずら」、「ファンタジー」という条件に符合するアフォーダンスであり、おとなの常識や価値として見過ごしている可能性が大きいのです。     [tag:こどもOS アフォーダンス]
45.プレイフル・デザイン・カードを使ったデザイン発想・ファシリテータ入門ワークショップ
キッズデザイン協議会「こどもOS研究会」では、長年取り組んできた成果をもとに「プレイフル・デザイン・カード」を使ったデザイン発想を広げるワークショップを開催しました。 今回はデザインの開発現場において、カードを使ったデザイン発想法のファシリテーションができる基本的なスキルを習得することを目指した内容としました。 会場は、富士通デザイン株式会社がこれまでに培ったデザイン開発やICTを使ったサービスデザインなどのノウハウを活用し、ビジョン策定からその具体化までを一貫して体験・研究開発することを目的として、昨年9月に六本木一丁目・アークヒルズサウスタワーに開設されたオープン・イノベーションのため の”場”「HAB-YU platform」をお借りしました。 黒基調で統一された壁面や適度な照度のペンダント照明は、ワークショップを行うときの意識を途切れさせず、しかも、リラックスできる雰囲気を作り出すことに成功しています。 また、直接マーカーで書き込め、プレゼンテーションのときには、取り外して壁に立てかけることもできるテーブルの天板や、椅子にも、ちょっとした物置台にもなる木製ブロック、ワークショップツールがコンパクトにまとめられたワゴンなど、要所要所にワークショップを行う上での工夫がみられる構造になっています。 こどもOSのワークショップは、「発想とは?」という根本的な問いからスタートし、アイスブレイクなどもはさみながら、徐々に「こどもOSの理論」とそれに裏付けられた「情緒的な発想法の仕組み」がわかるような内容構成としました。 今後も、こどもOSの考え方を伝える、このようなワークショップを実施して行きたいと思います。   【日 時】 3月20日(金)14:00~17:00 【会 場】 HAB-YU platform(ハブ・ユー・プラットフォーム)東京都港区六本木一丁目4-5 アークヒルズサウスタワー3F 【主 催】 キッズデザイン協議会 【講 師】 大阪府産業デザインセンター 主任研究員 川本誓文(キッズデザイン協議会 こどもOS研究会リーダー) 【対 象】 会員およびキッズデザイン賞受賞企業を主にデザイン、商品企画部門の方、デザインを学ぶ学生など 【定 員】 30名(先着順) 【参加費】 5,000円(キッズデザイン協議会会員は無料)※参加費には、こどもOSの冊子およびプレイフル・デザイン・カード料金を含む。   【内 容】 こどもOS研究会の紹介 論理的発想法と情緒的発想法 アイスブレイク アイデア・デザイン発想法の仕組み 「こどもOS」とは何か? 「こどもOSランゲージ」ができるまで 「プレイフル・デザイン・カード」を使った発想プロセス ワークショップでの発想演習 グループ発表とまとめ 質疑応答・ディスカッション
46.ムーミンパパの「手帖」トーベ・ヤンソンとムーミンの世界(その3)
著 者: 東 宏治 ISBN:4-7917-6312-2 発行所: 青土社 発行日:2006年12月30日  7 おばあさんの教育論 よりの抜粋 「ソフィアが新しい反抗期を経験したその夏は、雨が多くて寒く、戸外は不愉快で、とてもいやな夏だった。それでソフィアは、よく屋根裏に孤独を求め、ダンボール箱の中に入って、ナイトガウンを見つめながら、肝のつぶれるようなすごい言葉で話しかけたが、ガウンが言い返すはずはなかった。ときにはソフィアはおばあさんとトランプをした。二人とも同じように無遠慮にやっつけ合い、二人のトランプの夕べは毎回けんかで終わった。前にはそんなことは決してなかったのだ。おばあさんはソフィアを理解するため、自分の反抗期を思い出してみたが、たった一つ思い出せたのは、自分が並はずれていい子だったことだ。賢いおばあさんは、反抗期が八十五歳という年齢までものびることがあるかもしれないと思い、なおも自分自身を監視しようと決心した。『ソフィアの夏』167/168ページ) ここでおばあさんは、孫を理解するために、まず「自分の反抗期を思い出してみた」とあるけれど、このように、年齢が寄っても自分が小さかった頃の気持ちを思い出そうとする大人は少ないが、これこそ実は親や教育者たちに求められていることなのではないか。ぼくが前に、このおばあさんが生まれついての教育者のように見えると言ったのは、こういう彼女の姿を思い浮かべてのことだ。それにしても、八十五歳になっても、なお自分の体験しなかったことが今後訪れるかもしれないと考えるところに、彼女の自由な精神の真面目が表れているではないか。(P77)   ここで語られているソフィアのこども性を、おばあさんが自分のこども時代を思い出して理解しようとする態度は、そのまま「プレイフル・デザイン・スタジオ」で試みようとしている方法に他なりません。 つまり、こども時代やこどもの振る舞いに対する想いや記憶を、おとなである私たちが呼び覚まし、「おとなの中のこども性」として肯定することで自分たちをそういうモードに置き、その状態を維持しつつこどもを観察することでこどもから学び、「こどもOS」を発見していこうとするアプローチなのです。 私たちが思い浮かべているアプローチが、ずっと以前にヤンソンによって語られていたということに自信 を深めてもいいような気がしています。   [tag:おとなの中のこども性 こどもOS]
47.ハコプロ
マイドームおおさかで開かれているギフトショーで見つけたピンバッジ。 かいらしいので思わず2つも買ってしまいました! 出展していたのは「ハコプロ」という障がいのある人たちの福祉施設を支援するデザイナーやフリーライター、大学講師など異業種の集団です。 代表の山下さんに聞くと、全国の福祉施設で作られた授産製品の中から、作り手の個性の見える、思わず「ふしぎ?かわいい!!」雑貨やアート作品を集めて売るための手助けをしているとのこと。 自分たちの人件費を度外視してでも参加している理由は、「自分たちがその魅力に引き込まれたから」 確かに3、4歳のこどもでなければ描けないイラストでありながら、そのモチーフや完成度の高さを見ると、「ふしぎかわいい」という表現がピッタリですね。
48.ムーミンパパの「手帖」トーベ・ヤンソンとムーミンの世界(その2)
著 者: 東 宏治 ISBN:4-7917-6312-2 発行所: 青土社 発行日:2006年12月30日  21 ヤンソンの方法 3 よりの抜粋 「《これはレタスだね。》と弟は言いました。《 その調子でいくと、お前はたちまち大人になるな。パパやママみたいになって、さぞ世間の役に立つことだろう。そうなったら、お前はただありきたりのことしか見たり聞いたりしないんだ。言っとくけど、そりゃ何にも見もせず、聞きもしないってことだぞ。そうなったらもうお終いだな。》こうホムサは言いました。(『ムーミン谷の仲間たち』33/37ページ) 「美しいもの」を(あるいはもっと広く言えば描くべき対象を、ここではレタスの畑を)最も簡単に言葉にし形式化して、結局形骸化してしまうのは、レタスをレタスと命名してしまうことだろう。それは書くべき対象のもつ名前の、ほんの一つにすぎないのである。もしその「美しいもの」を「レタスの畑」と言わずに黙ったまま記憶のなかにとどめ、何度も思い浮かべてみるうちに、かりに別な光に照らされたような気がして、マングローブの林のように見えてきてそう表現するなら。このメタファーはその「美しいもの」の別の名前を言うとともに、単にレタスと呼ぶ以上の奥行を、この美しいものに与えたことになるのである。(P212)   トーベ・ヤンソンは、分かりきった単純なものの代名詞として「レタス」を引き合いに出し、レタスの畑を見てレタスだと言う、すでにいっぱしの大人のような現実認識を持つ弟に対して兄のホムサを使って咎めさせます。 「これはレタスだ」と声に出して言うことで、そう言ったことばが巡って自分のなかで記憶される。こどもがことばを獲得して行くプロセスはその繰り返しであり、モノとことばが一対一で対応づけられることで形式化していく・・・。 その反面、こどもたちの見立て遊びやファンタジー、こどもOSが次第に失われていくということにクリエイターとして警鐘を鳴らしているのでしょう。   [tag:レタス こどもOS トーベヤンソン]
49.「プレイフル・デザイン・スタジオ」が第2回キッズデザイン賞を受賞!
大阪府(大阪府産業デザインセンター)が進める「こどもOS(=こども目線・こどもゴコロ)」による創造的デザイン活動、『「プレイフル・デザイン・スタジオ」こどもが笑う! こどもと笑う! 「こどもOS」による新しいモノづくり発想法』が、第2回キッズデザイン賞、コミュニケーションデザイン部門に選ばれました。   「キッズデザイン賞」は、キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO、本部:東京都文京区、会長:和田勇)が、子どもにとって安全・安心で、健やかな成長発達に役立つ、製品、コンテンツ、活動、リサーチなどを顕彰する制度で、「第2回キッズデザイン賞」では受賞作品149 件が選定されました。 今回の「キッズデザイン賞」受賞作品について、審査委員長の赤池学氏は、 『今年度は、応募点数自体はやや減ったものの、応募企業・団体数は逆に増加し、キッズデザインに問題意識を持つ業界の拡がりを感じることのできる審査となった。そして、応募作品全体を通しての質の向上も如実に感じられ、なかでも昨年度はその数が少なかった、少子化に資するキッズデザイン提案が数多く見受けられたこともうれしい手応えである。 また、子ども向けを謳っていながら大人でも欲しくなるデザインの提案や、大人仕様でありながら「子ども目線」をきちんと製品設計の中に組み込んである提案も増加するなど、キッズデザインが、サスティナブルデザインやユニバーサルデザインの根幹である事実を、審査委員一同、改めて確信することができた審査会であった。』 と述べておられます。 なお、同賞では8月4日(月)には最終審査を行い、キッズデザイン大賞(経済産業大臣賞)、金賞(経済産業大臣賞)、部門賞(キッズデザイン協議会会長賞)が決まります。 また、受賞作品(一部を除く143件)は、『キッズデザイン博2008』にて、8月5日(火)~8月10日(日)の6日間、TEPIAプラザ(機械産業記念館・港区北青山)にて一般公開されます。 [tag:キッズデザイン賞]
50.まいどおおきに!関西弁100人展 2
関西にゆかりのあるデザイナーやイラストレーターが思い思いの「関西弁」を作品で表現した、「まいどおおきに!関西弁100人展 2」が南堀江のGallery Hokkで10月31日まで開催されています。 関西弁というテーマにつられて行ってみたところ、日頃馴染み深いことばをテーマにしたウィットに富んだ作品が共通の額縁に入って並べられていました。 様々な関西弁に、イラストレーターや作家の方々がどういう解釈で絵をつけるのか?というコンセプトは、第2回のPDSワークショップにも流れているテーマであり、デザイン発想の共通性を感じてしまいます。 ご好意に甘えて、ワークショップのチラシを置かせていただきました。京田クリエーションの たかい よしかず様 ありがとうございました。       [tag:関西弁]
51.子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その1
原書名 : SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 ISBN: 4-7601-2264-8 発行所: 柏 書房 発行日:2002年9月15日 「子ども性」という語の意味 よりの抜粋 英語に「子ども性(childness)」という語彙があるが、実際に使われることはほとんどない。『オックスフォード英語辞典』(Oxford English Dictionary 以下OED)をひもとくと、次の二つの意味が載っている。 (1)子どもっぽい気質(childish humour)、大人げのなさ(childishness) (2)子どもの特性(child quality)、子どもであること(being a child) (中略) OEDの編集者たちも、既存の形容詞「子どもっぽい(childish)」と「子どものような(childlike)」が意味するものとは違う意味をあらわすことのできる、「子ども性」という名詞を明らかにしようとしているが、十分に成し得ていない。彼らの徒労には同情するが、苛立ちも覚えずにはいられない。 ポリクシニーズ ※1 は「子ども性」というとき、非難の意味をまったく込めていない。それは私たちの言葉では「子どもっぽい気質」とでも呼ばざるを得ない、子どものありようだ。 彼が意味しているのは明らかに「子どもの特性、子どもであること」という、OEDの二つめの意味である。そしてまたポリクシニーズは、「子どもっぽい」「子どものような」という二つの形容詞の意味に少しもとらわれていない。(P96)   これは、私が「こどもOS」の説明に苦心していたときに図書館で出会った本です。 「こども性」という言葉が世の中にあることを改めて知り、こどもOSという価値観で「プレイフル・デザイン・スタジオ」を組み立てるときに、非常に参考になりました 。   ※1ポリクシニーズ シェイクスピアの『冬物語』第一幕第二場で、登場するボヘミアの王。  [tag:こども性]
52.自分の中の子ども—谷川俊太郎対談集(その2)
著 者: 谷川俊太郎 発行所: 青土社 発行日:1981年10月26日  I 表現行為と子ども―大江健三郎*谷川俊太郎 子どもの為の表現 よりの抜粋 谷川 子ども時代には自分のなかの子どもの部分を意識化することはできないわけですよね。それからそれを制御することもできないと思う。だからぼくなんかがいま、自分のなかの幼児的な部分に気がついて、それを何かの形で蘇らせようとするのは、やはり自分のなかの大人の部分であって、それは自分のなかの幼児的な部分を、悲しいことにどうしても制御しちゃうわけですよね。  だからそれは二面あって、制御できるから作品化というか言語化できるんだという面と、制御するしかないから、結局自分はほんとの子どもの至福というようなものは経験できないのだという。ときどきなんか書いててもそういう制御する自分の大人の部分というものがちょっといやになるということはある。(P31)   子どもの為の表現   大江 大人が意識的に子どものふりをするということがありますね。大人の、子どもに対する表現の仕方が三つあるといえるかもしれない。わざわざ子どものふりをするというのが一つ。大人であることを意識していながら、しかし自分のなかのほんとうの子どもを解放すること、が第二。三番目には、大人でいながらもうすっかり子どもであるような、独自な瞬間での表現。ぼくは最初の、わざわざ子どものふりをする大人を、子どものとき拒否したかった。いま大人としての自分も、そうしたことをするのは嫌だと思っている。  そのような気持ちで児童文学を読んでいると、わざわざ子どものふりをしている大人の書いた児童文学があって、それには反撥する。それは表現としても面白くない。書いている大人自身にとって、自己欺瞞の表現行動であるし、子どもの側もわざわざ子どものふりをしてもらわなくていいと思うだろう。(P32)   こどもの振舞いを見ていて「こどもOS」に遭遇すると嬉しくなります。でも、こども自身はそれをどう感じているんでしょう。こどもは受け狙いで大人の反応を横目で見ているところもありますし、自分はこどものふりをしてこどもに近づいているんだろうかと自問することもあります。だから、2人が提起する自己矛盾というものをひしひしと感じています。その中で、私が取ろうとしている立場は、大江氏が言われる選択肢の二番目です。こどもの振舞いを見逃さない沈着冷静な大人としての自分は不可欠です。しかし、こどもOSに共鳴するための自分の中のこどもセンサーを研ぎすませておくことも必要です。これから経験を積むべきことは、そうした「こどものスイッチ」をいかに自然体で無意識にONにできるかということでしょうね。   [tag:おとなの中のこども性 こどもOS]
53.「キッズデザイン展 in Takamatsu 2008」
■「キッズデザイン展 in Takamatsu 2008」 (主催:経済産業省 四国経済産業局 協力:キッズデザイン協議会)   キッズデザイン賞受賞作品を中心とした展示や親子連れを対象とするキッズワークショップが開催されます。 ◎日程:12/12(金)~14(日) ◎場所:高松丸亀町商店街壱番街ドーム下及びカルチャールーム      ■キッズデザインワークショップ『こども目線のデザイン創造』 調査研究プロジェクト「こどもOS研究会」が実施する活動に基づき企画されたワークショップが、上記キッズデザイン展の初日に合わせて開催されます。 講師は、当協議会フェローのムラタチアキ氏です。   ◎日時:12/12(金)13:30~17:00 ◎場所:高松市美術館 講堂(高松市紺屋町10-4) ◎講師:ムラタチアキ氏(株式会社ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役) ◎定員:50名(先着順)※定員を超えた場合は聴講参加となります。 ◎参加費:無料 (交流会への参加費は2,000円です。) ◎申込:四国経済産業局のウェブサイトをご確認のうえ、お申込下さい。
54.板橋区立保育園こどもOSワークショップ職員研修(報告)
令和2年9月10日(木)、板橋区立保育園に勤める保育士・用務員の方々46名にお集まりいただき、「こどもの行動特性とハザードの予測方法」をテーマにワークショップを行いました。 当日は、会場に隣接する「平和公園」にてフィールドワーク(環境調査)を行い、子どもの行為とハザードの予測について、グループワークを行いました。 アンケート結果(46名) 自由回答 保育施設内で行って欲しい(より具体的になる) 子どもの気持ちを考え直し、深めていく良い機会になりました。子どもの特性について、園でも話していきたいと思います。 子どもの興味関心からどのような危険が考えられるのかを様々な視点から見ることができました。それを踏まえた上での対策、保育士の援助を考える良い機会となりました。園内の研修としても活用できると思いました。 公園の中を巡ってみて、日頃考えていた危険なことに加えて、ハッとさせられる危ないこともあり、発見がたくさんありました。 危ないことに対する方法も危険なものを取り除くだけでなく、子どもたち自身に考えさせる“身体を鍛えていく”というOSのアップデートも大事なんだと思いました。 楽しいことには常に危ないことのリスクがついてまわるので、リスク・ハザードを考えつつ、子どもの成長段階にあわせて経験をさせたい遊びを保育に取り入れていきたいと思います。 プレイフル・デザイン・カードを使い、逆に子どもにとって魅力的な遊びを考えられるのでは、ないかとも思いました“保育のヒント”になります!ありがとうございました。 普段子どもたちと関わっている中で危険だと思うことがたくさんあります。危険や安全について考える時間が持てたことがとても良かったです。ありがとうございました。 ハザードの事前予測について改めて考える場、知る場を設けていただいたので、今までとはまた異なる視点で園庭や公園での保育に活かせると思いました。また公園は保育園児の様な必ず大人がついている子ども以外も利用する場なので、管理等本当に大変だなと改めて感じました。ありがとうございました。 こどもOSがとても分かりやすく、新人保育士の危険予想として、とても参考になると思いました。新人だけではなく、改めて子どもの視点に立ち返り、日頃から遊びの提供の中にも危険を予想できるようにしていきたいです。 とても楽しかったです。子どもの目線に立って考えてみると、いろいろな危険や逆にたのしいことがたくさんあるなと感じました。 今回のワークショップは、園での園内研修にも活かせると思い、とても有意義でした。こういう考えから商品につながるのも楽しいなと思いました。 今回初めて知ったがとても楽しく、また興味深い研修でした。ありがとうございました。 子どもの気持ちに沿った行動を考えさせられ、とても良かった。自分自身の気付きにつながった。 子どもの目線になって改めて公園を見てみると、発見もできて楽しい研修でした。 子どもの心情、考えられる行動は保育士だから当たり前にわかるというものではありません。行動原理等を研修で取り入れ、「わかる」と「わかるの先」を考えていくことも楽しいかと思いました。 グループで話を進めていくことで、一つのテーマでも色々な思い、考え、アイデアがある。楽しく進めることができた。決めつけではなく色々な視点から見ることが大切と思った。 日頃何気なく遊んでいる場所に、色々な予測をしながら話し合いをする中で見えてきたものが多くありました。子どもたちが伸び伸びと遊べるよう、様々な行動の予測を立て、安全に配慮しながら今後も保育していきたいと思います。 園の職員だけでなく、保護者にも伝えたい内容でした。ありがとうございました。 ちょっとしたところに潜んだ危険や、その中で光る楽しさ、遊びの魅力に気付くことができました。実際に書いたり見たりすることでの気付きも大きく、研修を受けることができて良かったです。 子どもの動きは予測不能な部分もあると思っていたので、研修を受けて、そうではなく、子どもの動きを予測して大人が環境などを整えていく必要性があることを改めて学びました。 保護者から「どうしてうちの子こんなことするのか分からない!」という相談を受けたことがあり、その時にうまく説明ができなかったのですが「それ、こどもOSです」をその保護者に伝えたいと思いました。 少子高齢化の中で“子ども”のことを知っている大人が少ないと感じるので、学生(高校生・大学生など)にも伝えたいなと感じました。 保育園での散歩時にいつも気を付けていますが、今回の研修で改めて考えるきっかけとなりました。また、グループでワークを行ったことで、自分とは異なる発見を知ることができ、ハザードの予測の幅が広がったと感じました。 子どもの行動は予測できないと分かっていつつも、一つの場所についてじっくりと危険について考えて取り組む時間がとれていなかったことに気がつきました。遊び、経験、危険の三つがバランス良くとれるように、保育を組み立てていきたいと改めて思いました。 子どもの目線に立った、そして、子ども側に立った内容と考える時間ができ、良かったです。 実際に現場に行って、確かめる内容は、各グループの考えも聞く機会もあり、良かったです。 何気ない場所でも色々な危険が潜んでおり、色々な視点から考えることが出来たり、他の方の視点を聞いて、「なるほど!!そんな事もある!」と新しい発見もありました。再確認もでき、有意義な時間となりました。ありがとうございました。 子どもOSを改めて考えてみると、生活の上でも仕事を進めていく中でも、とても大切なことだと思いました。「ダメ!」と言ったり、取り除いたりするだけでなく、OSを理解し、どう働きかけるのか考えさせられました。 同じ場所を調べた中でも色々な意見があり、改めて「それもあった」と考え直す部分もありました。今後も日々の遊び場所など、この様にみんなで話し合い、子どもたちのやってみたい思いを受け止めながら危ない所は改善していけると思いました。 予測のつかない行動、発想をするのが子どもという事を改めて考えさせられる内容でした。柔軟な発想でより快適になる工夫ができればと思います。 とても興味や関心を持って参加させて頂きました。日頃のちょっとした気遣いに改めて目を向け、考えたり接して行きたいと思いました。 とても分かりやすいお話で参考になりました。この様な機会を頂き、ありがとうございました。 私は保育士ではありませんが、内容としてはとても良い研修を受講させていただいたと感じています。 ケガをさせたくない、危険を回避させたい大人。でも、何ごとも経験だと感じました。子どもたちの無限の想像力をつぶさないように、見守る力を大人が身につけることも大切だと思いました。 子どもの視点での考え方や、保育士としてのとらえ方など、同じワークの中でも様々な発想が聞かれました。 若い年代の方々が、子どもたちの体幹や経験を増やすことを考え、ハザードを想定しながらも、それをとりのぞくだけでなく、対応できる力を育てる視点が保育園では必要という発言をしていることに、今一度振り返りの機会となりました。 OSという言葉を初めて知りました。伸びる力と子どものキモチに寄り添いながら、できるだけ安全に環境を整えていかなくてはいけないと思いました。 様々な視点から環境を見ることができました。子どもの目線になって今後も遊びの環境を見て考えていきたいと思いました。 ワークショップで実践の中で危険の考察をすることで、より身近に感じることが出来、多くの気づきがあった。 普段の遊び場や道路など、全てに子どもの遊びの要素や危険があることがわかり、大変参考になりました。 プレイフル・デザイン・カードはとても興味・関心を持つものとして、是非購入したいと思いました。 カードを使って、園内研修で活用し、園全体の職員で勉強したいと思います。 大人が一瞬先の行動を読みとる習慣を常に意識して、想像力を豊かに子どもたちの安全を守っていきたいと思いました。 コロナの影響で春夏と散歩に行けずだったので、日頃の復習になると共に、そこまで考えていなかったと反省もありました。子どもは予測しない行動を行うので、頭において保育していこうと思います。 グループで危ない場所を確認しながら写真をとり、討議につなげるやり方は良かったと思います。 ...
55.子どもアート・ボランティア講座2008のお知らせ
子どもアート・ボランティア講座2008(参加無料) 子どもとアートに関わる皆さん、子どもとアート事情の最先端を学びませんか? 日本屈指の講師陣とともに、これからの子どもとアートのコラボレーションのあり方を探ります!   講座1 11月15日(土)13:30〜16:30     ●学校の外でアートと出会おう!  「学校外教育での子どもとアートのこれまでとこれから」 パネリスト 宮脇 理(芸術教育学、元 筑波大学教授) 斎 正弘(宮城県美術館教育普及部部長) 会場:同志社大学 今出川キャンパス 至誠館2番教室   講座2 11月29日(土)13:30〜16:30     ●子どものための施設でアートと出会おう! 「最先端を行く子どもとアートの 施設とその教育研究プロジェクト」 パネリスト 目黒 実(九州大学ユーザーサイエンス機構 特任教授、子どもプロジェクト主宰) 上田信行(ネオ・ミュージアム館長 同志社女子大学現代こども学科教授) 会場:光清寺(京都市千本出水通西入ル)   講座3 1 月10日(土)13:30〜16:30     ●学校にアーティストがやってくる! 「アートでひらくこどもと社会」 パネリスト 水野哲雄(京都造形芸術大学こども芸術学科教授) きむらとしろうじんじん(芸術家) 会場:京都市立北白川小学校 ふれあいサロン室 ■主催:アート・コミュニケーション・デザイン、同志社大学 社会・芸術国際研究センター ■申し込みお問い合わせ 氏名、住所、電話番号、所属、希望講座番号を明記の上、 下記メール宛にお申し込みください。 詳細案内チラシはこちらからダウンロードしてご覧下さい。 [tag:子どもとアート]  
56.ムーミンパパの「手帖」トーベ・ヤンソンとムーミンの世界(その4)
著 者: 東 宏治 ISBN:4-7917-6312-2 発行所: 青土社 発行日:2006年12月30日  2 安らぎの空間、憎しみの空間 よりの抜粋 (1)その場にいると「安心感」が得られること。それは自分の三方や四方が(とくに背後が)、樹木や岩や薪の山などの"壁"によって守られていることによって得られる。 (2)それとともに、「開放感」があること。上方や前方に、空や海などの空間の拡がりがあるおかげで、閉じこめられているという感じがなくなっている。 (3)その場にひとりでいられ、ひとりでものを考えられること。かれらの見つけたその場所の広さは、せいぜいベッド二個分か、一人でしかいられないほどである。 (4)そこには太陽がさしこんだりして、「あたたみ」や「ぬくみ」が感じられること。 これらの共通点の一つ一つが、「安らぎの空間」を形づくる要素であることは、自分が子供だったころに、ムーミントロールのように秘密の隠れ処を見つけようとしたときのことや、成人して自分の部屋や書斎をもとうとするとき頭に思い描いたものを想い出してみれば、容易にうなずくことができるだろう。ぼくらが「家」というものに抱く夢は、こうしたものを基盤にしているのである。(P24)   トーベ・ヤンソンが示す安らぎの空間というものを私のこども時代に照らし合わせて見れば、それはまさに、崖に横穴を掘った秘密基地であり、土管の中のアジトであったりします。また、おばあちゃん家の薄明かりの差し込む天井裏だったかもしれません。 「現代ッ子がそんな場所を見つけられるのかな?」と思っていたら、おとなが予想だにしない場所をこどもたちが教えてくれました。 写真は、とあるショッピングセンターの案内盤の裏なのですが、傾斜した背もたれといい、温かいカーペットといい、ガラスを通して差し込む光と吹き抜けの見晴らしといい、ヤンソンが示す4つの条件を全て備えているという点と、それをこどもたちが(こどもOSを使って)環境から的確に読み取っているということに驚かされます。    [tag:安らぎの空間 こどもOS]
57.第6回キッズデザイン賞 審査委員長特別賞をいただきました。
  大阪府産業デザインセンターの川本です。 昨日、六本木アカデミーヒルズで開催されました第6回キッズデザイン賞表彰式に出席し、「こどもOS研究会」を代表して表彰状を受け取って参りました。 上位賞をいただくのは今回で2回目ですが、壇上に上がるのは始めてで大変緊張しました。 しかし、審査委員長の赤池さんから温かな激励のことばをかけていただき、改めて喜びがわき上がって来ました。 今後は、カードを使った発想プログラムづくりと生み出された結果としての成果が求められます。 引き続き頑張って行きたいと思います。 ■作品名:こどもOSに基づくデザイン発想ツール「プレイフル・デザイン・カード」の開発と検証 ■こどもOS研究会:大阪府(大阪府産業デザインセンター/積水ハウス株式会社/大和ハウス工業株式会社/パナソニック株式会社/株式会社ジャクエツ環境事業/NPO法人GIS総合研究所 《開発の考え方》 デザイン発想に必要な問題発見力と創造力を10歳前後のこどもたちの自由な行為(こどもOSランゲージ)に求め、カードツールへ落とし込みました。 表にはプレイフルなデザインコードを、裏にはハザードの芽を摘み取る安全・安心コードをまとめました。 このカードは様々な商品開発の現場で触媒として活用いただけます。 《仕様》 21個のランゲージカードがセットになった、こどもたちに特有の行為や思考(こどもOSランゲージ)をまとめたヨコ134mm、タテ190mmのデザイン発想のためのカードツール。 《審査評》 子ども特有の行動特性や心理特性などをデザインコード化した「こどもOS」をユニークなカード形式で発想ツールに進化させた意欲的な取り組み。 表には大人が忘れてしまった子どもならではの行動から学ぶ新たなデザインコード、裏にはそれが時には事故要因にもなりえるという注意喚起につながる安全安心コードを記載しており、複層的にクリエイティブマインドを喚起させる。
58.子どもたちの建築デザインー学校・病院・まちづくりー(その1)
著 者: 鈴木 賢一 ISBN:4-540-06245-X 発行所: 農山漁村文化協会 発行日:2006年07月  1章 子どもとまちづくり—ワークショップの可能性— 参画のはしごを登る 秘密基地 よりの抜粋 子どもの建築教室を重ねるうちに、プログラムの組み立てに関して板ばさみの感覚をもつようになりました。建築教室の学習プログラムを精緻にすればするほど、大人が子どもに伝えたいことが全面に出てしまい、子どもの自由な発想を奪ってしまうからです。もともとは、子どもが活動を通じて知らず知らずのうちに気が付き学ぶプロセスを大事にしたかったのです。だからこそ、どうしてもやってみたいと思う企画がありました。それが秘密基地づくりです。   (中略) 皆さんは秘密基地ということばから何を連想しますか? 研究室の学生が、今の子どもたちが秘密基地をもっているかを卒業研究で調べたことがあります。使い捨てのカメラで自分の秘密基地を写真に撮らせました。以前にはまちの中にあった得体の知れない場所が消え失せてしまって、そういう場所をもっていないのではないかという仮説に反して、多くの子どもたちが秘密基地を持っていました。写真と添えられたコメントを読むと、「秘密」とは「仲間で共有する」という意味に、「基地」とは「居場所」という意味に解釈できました。(P28)     こどもOS研究会が大人を対象に行った、2008年の第1回から第3回までの「プレイフル・デザイン・スタジオ」ワークショップでは、「こどもOSという発想自体が面白く、経験したことのない時間だった」といううれしい評価の反面、「やらされ感があった」、「はじめから“おとしドコロ”を設定してあるように感じた」というコメントもありました。ワークショップ参加者に「こどもOS」を感じてもらおうとする様々な仕掛けが、主催者側の誘導や強制に感じられたという意味で私たちの反省材料です。 2009年はこどもたちが生活している空間で「こどもOS」を調査するためのワークショップをいくつかの小学校とその周囲で行う予定です。その際に、同じ轍は踏まないということが肝要です。「こどもたちに自由にさせる」、「気づいてくれるまで待つ」という姿勢が大事ですね。 私たちの仮説は、現代のどんな地域のどんな状況に暮らすこどもたちであっても、「秘密基地」や「お気に入りの場所」、「不思議な場所」があって、そこでのこどもOSが垣間見えるというものです。こどもたちがどのような振舞いを見せてくれるのか?興味は尽きません。     [tag:秘密基地 こどもOS 気づき]
59.子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その5
原書名 : SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 ISBN: 4-7601-2264-8 発行所: 柏 書房 発行日:2002年9月15日 子ども不在 の 子ども性 ビアトリクス・ポター『キツネどんのおはなし』 よりの抜粋 ビアトリクス・ポター ※1 は、幼い子ども向けの物語に難しい言葉を取り入れていることで有名だ。レタスを「催眠性の」と描写した例は、常に引き合いに出されている。この『キツネどんのおはなし』も例外ではない。たとえば、アナグマ・トミーがウサギ穴に「いそいそと」入る。だが、こうした大胆な言葉遊びは、幼い子どもに語彙力をつけることを目的としているわけではない。むしろ、子どもは大人の言葉を真似て、それを遊びにするものだ、という認識の表れである。   つまり、ポターは、彼女自身が大人として言葉を楽しむこと、特にその尊大で古風な形式を楽しむことで、そこに子ども読者を招き入れようとしているのだ。ポターは子どもにこう告げる。「あなたたちもこういう言葉が使えますよ。そうすれば、ばかげた大人たちを茶化せるのです。」彼女が使う「難しい」言葉は、子どもと同盟を結ぶ一つの手段である。ポターは、常に子ども読者との間に距離を保ち、常に権威ある語り手でありながら、遊びと風刺がきいた大人という、彼女自身と同じ地位に子ども読者を引き上げる。(P221)   ビアトリクス・ポターのように、 こどもの絵本の中に難しいことばを散りばめるという試みは、心理学者ピアジェの「発生的認識論」の解釈では、「不均衡化(知らないこと)」をあえて仕掛け、それを知ろうとする働きによってこどもの学びを起こさせるということになります。 しかし、どうもそうではないらしい。ポターはむしろこどもの側にいて、ばかげたおとな たちを茶化している。 そう言われてみると『ピーターラビットのおはなし』は、 現実世界へのアイロニー(皮肉)で満ちあふれていますね。 ポターに見られる、イギリス人特有の遊びゴコロと風刺の精神は、「物事の本質を見極められる、かしこい おとな になりなさい」という、こどもに、そして、おとな にも向けられたメッセージなのかもしれませんね。   ※1 ビアトリクス・ポター (1866〜1943)ロンドン生まれのイギリスの水彩画家、絵本作家。幼少時から休暇で訪れたスコットランド、湖水地方の自然に深い愛情を抱く。のちに自ら購入し移住した湖水地方の土地を舞台にして、『ピーターラビットのおはなし』(1902)から始まる二十余冊の「ピーターラビットの絵本」シリーズが創作された。 [tag:こども性 こども不在 レタス]
60.子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る その2
原書名 : SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉 著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子 ISBN: 9784760122646 (4760122648) 発行所: 柏 書房 (2002-09-15出版) 発刊日:1997年3月17日 子どもの 子ども性 よりの抜粋 ポリクシニーズ ※1 は、「さまざまな顔をもつ子ども性」について述べている。息子のフロリツェルは、遊びのなかで数々の大人の役を、次々と演じようとする。ポリクシニーズが楽しんでいるのは、子どもの自由気ままさや、とらわれなく変化していくありようである。 (中略) フロリツェルの子ども性とは、(そして、マクドナルドやOEDの編集者たちが最善の努力でもって定義しようと試みている「子どもの子ども性 ※2 」も)、子どもであることによって生まれる特性である。すなわち、みなぎる活力、あふれる想像力、いろいろなことを試そうとする欲求、相互交流性、変わりやすさなどである。そして、この子ども性こそが、私たちが成長するために欠かせないものなのである。(P97)    ここで語られている「子どもの子ども性」には、最初違和感を覚えました。なぜなら、子どもが子ども性を持っているのは、ある意味あたりまえじゃないかという感覚です。ただ単に「子ども性」だけでいいのではないか?と思ったのです。 しかし、このことばには対になることばがありました。それを知ったとき「あぁ、これは私が小学生の息子に対して、日々使っており、大人としても大事な能力なのだ」と改めて感じたのです。   ※1 ポリクシニーズ シェイクスピアの『冬物語』第一幕第二場で、登場するボヘミアの王。  ※2 子どもの子ども性 子ども性とはたとえば、子どものもつみなぎる活力、あふれる想像力、いろいろなことを試そうとする欲求、変わりやすさなどである。これらは子どもが子どもであることによって生まれる特性である。子ども性には大人が子どもに伝えたり期待するものによって規定されていく面もあり、これらは、時代、文化、宗教、個人の感性や好みなどによって変化する。このような多様な子ども性を子ども自身が融合させて自身の子ども性を構築し、子ども時代とはなにか、適切な振る舞いやタブー、特権は何かという感覚をつかんでいくことになる。 [tag:こども性]