子どもと大人が出会う場所—本のなかの「子ども性」を探る

原書名 SIGNS OF CHILDNESS IN CHILDREN'S BOOKS〈Hollindale, Peter〉
著 者: ピーター ・ホリンデイル 監訳:猪熊 葉子
ISBN: 4-7601-2264-8
発行所: 柏 書房
発行日:2002年9月15日

子ども不在子ども性 ビアトリクス・ポター『キツネどんのおはなし』 よりの抜粋


ビアトリクス・ポターのように、 こどもの絵本の中に難しいことばを散りばめるという試みは、心理学者ピアジェの「発生的認識論」の解釈では、「不均衡化(知らないこと)」をあえて仕掛け、それを知ろうとする働きによってこどもの学びを起こさせるということになります。

しかし、どうもそうではないらしい。ポターはむしろこどもの側にいて、ばかげたおとなたちを茶化している。

そう言われてみると『ピーターラビットのおはなし』は、現実世界へのアイロニー(皮肉)で満ちあふれていますね。

ポターに見られる、イギリス人特有の遊びゴコロと風刺の精神は、「物事の本質を見極められる、かしこいおとなになりなさい」という、こどもに、そしておとなにも向けられたメッセージなのかもしれませんね。

 


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